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【スペシャルインタビュー 岡本隼 Sharjah Tour第3ステージ終了後】

【スペシャルインタビュー 岡本隼 Sharjah Tour第3ステージ終了後】
2024年1月26日から31日5ステージで中東UAE(アラブ首長国連邦)のSharjahで行われているSharjah Tour (UCI 2.2)。
第3ステージ終了後の休息日、岡本隼選手にインタビューに答えてもらいました!


問)第1ステージを振り返って
岡本)レースは終始向かい風の区間が多かったです。集団の後ろにいると楽なのですが、前に出ると足を使うという状況でのレースでした。
横風区間も少なく、普段のアジアツアー通りの、初日まだリーダーも決まっていない中、アタック合戦から始まるという展開でした。
レース展開はいつも通りであり、難しい展開ではありませんでしたが、シーズン初戦で気候の変化もある中、身体が動ききっているという状態ではありませんでした。
そんな中でも、アタック合戦では、チームから誰かしらは反応できていたと思います。
途中、風が強い区間や集団が密集したあたりで落車が発生してしまい、集団が割れてしまうということや、横風区間でのきつさも感じはしましたが、自分は大きな問題なく集団に残ることはできました。
後半、集団が追っている段階でもそこまで危ないところはありませんでしたが、どうしても横風の区間では足が削られているのは感じました。
集団としても追いつくつもりでいたと思いますし、自分たちも追いつけると思っていました。
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©SharjahTour 第1ステージを走る岡本選手(中央奥)と渡邊翔太郎選手(中央手前) ※クリックで拡大画像が見られます

問)最終局面ではどうでしたか
岡本)早い段階で落車で草場を失ってしまい、後半翔太郎さんも欠いた状況の中だったので、自分たちが思い描いていたスプリントはできないなと思いました。
それでも、いるメンバー(當原・石上・西尾)でチャレンジはしましたが、自分自身が埋もれてしまいました。
當原が前に抜けて行ってくれたのは見えたのですが、自分自身、前に出られず、飲まれてしまいました。
最終局面のさばくところが、難しかったという印象です。
ラスト2㎞までは石上→當原→自分で並んでいて、イメージはつかめていましたし、その後、當原が前に行ってくれたことも良かったと思っています。
今回はうまくいかなかったですが、あそこで當原が踏みやめずチャレンジしてくれたことはチームとして次に繋がると思います。
外から見ていたら、連携がうまくいかなかったという表現になるのかもしれませんが、実際の中にいた身としては、難しくてどう表現したら良いのか迷うところです。
最終的には全力でもがける形ではなく、前の選手をかわしながらのフィニッシュとなりました。
もう少し手前からの話をすると・・・
追い風の区間が想定より早く、ラスト2kmまで足はためられてはいたものの、ギアの問題もあり、うまく言えないのですが、あのスピードにまだ慣れていなかったともいえるかもしれません。

完璧にいっていたら今でもうまくいくのかもしれませんがまだ成功率は低くて、修正しなければいけない点はあるなと感じました。
初日としては、うまくいかなかった部分もありましたが翌日につなげられたと思います。
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第1ステージフィニッシュ後の選手と小松監督 ※クリックで拡大画像が見られます


問)そして第2ステージですね。
岡本)はい。建物を1周して大きな道に出てスタートだったのですが、実質パレードなしのいきなりのスタートでした。
そして、最初から吹きっさらしの横風区間で、スタートしてすぐにスプリント状態かのような中、横風を受けながら一列棒状で風を受けて道の端に追いやられて走るという展開でした。
今までのアジアツアーの中ではない展開で、昔アンダーの時代にこういうレースを走ったことがあったことを思い出しました。
今回は、ヨーロッパの選手も多いので、第1ステージを見ていても予想できた展開ではあったのですが、スタート直後からとは正直思っていなかったので、面喰った部分もありました。
もう少し予測をしておく必要があったと反省しています。
リーダーも初日に決まったので、普段のアジアツアーのように、アタック合戦をやってさばきながら、リーダーを擁するトレンガヌチームがコントロールするというのがイメージにはあったのですが、実際は、スタートから全く違った展開となりました。
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©SharjahTour 第2ステージスタート直後の集団 ※クリックで拡大画像が見られます

問)岡本選手がいたのは第2集団でしたか。
岡本)はい。最初は第2集団でした。先頭が恐らく30人くらいでずっと見えていたのです。
ただその先頭集団が目の前100mくらいの距離にいるまま10㎞くらいはずっと追っていたのですが、その後段々と距離が開いていってしまいました。
見えてはいても、前も全開で踏んでいたのと、後ろも全開で踏んではいるものの、前にエース格を乗せていて引かない選手もいました。
道幅いっぱいに横に並べる選手の数は25~30人くらいで、その後ろに一列棒状でついているというような状況でした。
前もきっと、きつくなるところがあって、どこかで追いつくチャンスがあるのではないかとも思っていたのですが、それも思い描いたようにはいかず、最初から最後までずっとそのような状況でした。
気付いた時には自分の集団には他のチームメイトはいませんでした。
そこからは、追うというよりはフィニッシュを目指す走りとなりました。

問)チームメイトもばらけてしまった中、チームカーからもらう補給は問題ありませんでしたか。
岡本)はい。小松監督の運転するチームカーも自分の集団に基本的についていてくれたので問題ありませんでした。
ただ最初の1時間から1時間半は、まるでチームタイムトライアル?かのように全開で追っていましたから、自分だけでなく他のチームも補給を取りに行く余裕はなかったですね。
さすがに追いつくのが厳しいなとなったあたりでようやく補給をとりにいきました。

問)暑さはそこまででもないですか。
岡本)無茶苦茶暑い!というほどでもないですし、暑さがレースに大きく影響するほどでもないです。でも、まだ身体が順応しきれていないのか汗が出にくいのはあります。休息日の今日(到着してから5日目)はだいぶ汗が出るようになってきました。
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©SharjahTour 第2ステージを走る岡本選手 ※クリックで拡大画像が見られます


問)そんな第2ステージから切り替えての第3ステージは約10㎞の個人タイムトラアルでしたがどうでしたか。
岡本)距離的には特に長く感じはしませんでしたが、全体的にベストなパフォーマンスではないなというのが正直な感想です。
アタックには対応できても、自力で踏み続けるトレーニングは、まだ足りていないなと思いました。
今後、例えばタイムトライアルがステージレースである場合や、自分が10㎞くらいの距離を引かなければいかないという状況が来た時のための感覚はすごく分かりました。
ペース配分もですが、どういうトレーニングが足りないのかということも分かりました。
みんな同じ条件で走っているので前後で走る選手との比較もできて身に染みることが多くありました。
実際クローズドされた場所を10㎞全力で走ることは普段の練習ではなかなかできない環境なので、もちろん今回はレースではありますが自分の測定ができる機会というとらえ方もあると思っていてシーズン初めにこのような機会があったことはとても意味のある10㎞タイムトライアルだったなとポジティブにとらえています。
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©SharjahTour 個人タイムトライアルを走る岡本選手 ※クリックで拡大画像が見られます


問)今日は休息日でしたが、どのように過ごしましたか。
岡本)昨日までの3日間の結果は、思っていたより厳しいものではあったのですが、それでもレースはやはり楽しいですし、いつもとは違った風の環境でのレースはとてもいい刺激になっています。明日も明後日もきっときつい展開になるとは思うのですが、少しでも前に残れるように、勝負に加われるように!という前向きな気持ちでもいます。
チームの雰囲気もいいので良い休息日を過ごしています。

問)明日、明後日のレースに向けての思いを改めてお願いします。
岡本)明日の第4ステージは、直線でフィニッシュに向かうのではなく、周回ではありませんがぐるっと回ってから北上するレイアウトです。回るということはまた風の影響が出るので風のレースの中、最後ののぼりのふもとまでいかにチームのメンバーを残せるかが一つの課題だと思っています。
のぼりはのぼりのレースなので、ふもとまで、たとえ足を使ってでも、いかに前のグループに残れるかを意識して頑張りたいと思っています。

最終第5ステージは、距離も短いので(94.08㎞)よりハイスピードのレースになるかなと思っています。だいぶレースにも慣れてきているので、しり上がりで、「最終日が一番よかったね」と言えるようなレースをしたいと思っています。

問)自身2回目のUAEでの生活はいかがですか。
岡本)食事も美味しいですし、白米はタイ米かな?ですがあるので困ることはありませんね。バイキング形式で、お肉もイスラム国なので当然豚肉は出ませんが、鶏肉も牛肉も用意いただいています。
ホテルも快適で、景色も良く、今回ステージレースながらホテルの移動がないのも助かっています。
あと、現地の方々が日本人である自分たちにすごく優しい!というのを感じています。
ドバイの空港に着いて最初に待っていてくれた方からも「日本が大好きなんだ!」と言われて嬉しくなりました。
明るく話しかけてくれる方も多くて気持ちよく過ごせています。

問)最後に日本で応援してくださる皆さんに一言お願いします。
シーズン初戦を戦っていますが、今まで以上に良い刺激の入ったシーズンインを迎えられていますので、残り2レースも怪我無くしっかり走ります。チャレンジをして、自分の走りをして日本に帰りたいと思っていますので応援よろしくお願いします!

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岡本隼(おかもとはやと) ※クリックで拡大画像が見られます

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