READY STEADY TOKYO(東京オリンピックテストイベント)
2019年7月21日(日) 東京ー富士スピードウェイ
本日はオリンピック開催を翌年に控えたここ東京でテストイベントとなる男子ロードレースが開催され、我々愛三工業レーシングチームもこの名誉あるレースに参戦しました。
スターティングメンバーは全日本で調子の良かった選手をメインで考え早川、住吉、岡本、草場、中川の5名を選抜。
若手のみならず、すべての日本人選手がチャレンジになるであろう過酷なコースレイアウトに加え、参加各国の強豪選手が揃っていることから非常にレベルの高いレース展開が予想された。
レースの勝負どころは終盤の三国峠になることは明らかであったため、チームの動きとしてはベテランの早川、住吉に加え、成長著しい岡本を後半まで温存。若手筆頭の草場、中川を前半の攻撃部隊とし、各持ち場にて最大限チャレンジすることで意思決定した。最悪の場合、前半から激しい展開(逃げが決まらない)で推移することも予測していたものの、この蒸し暑い中でそこまでの展開にはならない(海外勢が持ち込まない)と考えての配役だった。
しかし、その考えは甘かったと思い知らされることになる。
レースはリアルスタート後から活発なアタック合戦になるものの、思いのほか攻防が長引くことなく、4名のリードグループが形成され、最大6分差を稼ぎ出す。当初の予定とは違ったものの岡本がこの4名に含まれており、チームとしては悪くない展開となる。セオリーで行けばこのまま勝負所となる「三国峠」までは安定したレースになると思われたが、山中湖に向かう道志道で各国のエースクラスの選手がメイン集団から抜け出しを図る最も苦しい展開になっていく。
激しいアタックの応酬に早川、住吉、草場、中川で反応を試みるも、レベルの高い争いに対処しきれない。やがて精鋭揃い(19名)の追走グループが形成され、我々は先頭に岡本、メイン集団に早川、中川を残すのみとなり、前半から中盤にかけて愛三工業レーシングチームは選手2名を失う劣勢を強いられてしまった。
その後、追走19名は岡本を含む先頭グループ(この時点で3名)をキャッチし、計22名となり、先頭(岡本)から4分差でメイングループ(早川、中川)の構図になる。
もはや、この先頭グループがメイン集団と言っていいほどのメンバー構成だったため
あとは前半から脚を使っている岡本がどこまで精鋭部隊に喰らいつけるかといったところであった。
そしていよいよ勝負どころの「三国峠」に差し掛かる手前から海外勢の振り落としが始まった。この動きで先頭集団は3つに分断、そして三国峠の麓では絞られた集団から満を辞してイタリア勢が猛攻撃を開始していた。岡本はこの3つめの集団に取り残されたものの粘りの走りでゴールを目指す。
このころ、メイングループも活発な動きで集団破壊を繰り返しており、もはや集団は存在しない状態で三国峠をクリアしていく。愛三工業レーシングチームはこの段階で岡本、早川のみがレースを続行している状況であとは完走を目指すのみとなり、独走勝利したウリッシ(イタリア)から遅れること16分、岡本28位、早川34位と同集団内でそれぞれフィニッシュとなった。
今大会は前半に動いた有力選手が勝利を収める結果になったが、この動きに反応できた日本人選手は軒並み遅れてしまった。ただ、今回のレースにおいては有力どころが先頭に集まっていたことを踏まえると終盤までその場に加われた選手は結果がどうあれ的確かつ勇敢だったと言える。
来年は当日の気候、コース内容、各国の選手層によってレースの内容がガラッと変わることと思うが、2020東京オリンピックの成功と日本人選手の活躍を祈りたい。
Text : 西谷泰治
Photo : AISAN RACING TEAM
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