第87回全日本自転車競技選手権大会ロードレース
場所:島根県益田市
距離:14.2km×15周=213km
天候:晴れ
出場メンバー:小森亮平・早川朋宏・住吉宏太・黒枝士揮・阿曽圭佑・渡邊翔太郎・岡本隼
今年もシーズン前半の山場、全日本選手権が6月24日に島根県益田市で行われました。チームは3月に広島で行われたレースの後にコースの下見を行い、あらかじめレースのイメージを持つことができました。ツールド熊野終了後にも選手権に合わせた全体合宿を行いレースに備えました。
愛三工業レーシングチームの作戦は、各選手で役割を全うして、どんなレース展開でもレースを有利に進めて勝てるように計画しました。最後に集団がまとまった場合はゴールスプリントでは黒枝、優勝候補筆頭のシマノの入部選手は小森がマーク、オールラウンドな宇都宮の鈴木選手には岡本がマーク、早川と阿曽は先逃げに乗り他チームにプレッシャーをかけつつ、終盤で行われるアタックに対応(このコースは後半になるに従い体力を消耗して遅れる選手が多い傾向があったため、タフな2選手であれば最後に抜け出す力があるため)、渡邊・住吉はスプリントになる展開になる場合に引ける選手として温存、という采配でした。
レースがスタートしていきなり大きな動きがあり、32名の選手が集団を抜け出す形で先行しました。そこには各チーム2〜3名の最後でも勝負できる選手が乗っていたので、メイン集団が止まってしまうのは自明の理でした。愛三からは作戦通り早川と阿曽、そして宇都宮の鈴木選手が乗っていたので岡本が入りました。先頭集団はメイン集団に対しタイム差を開いていきました。愛三はチームの中では1〜2番目に有利な展開だったので、たとえ後半に追いつかれたとしても現状では前でも後ろでも大して力を使う必要がなく、メイン集団とのタイム差は6分ほどまで広がり、後半に向けて非常に良い感じに展開することができました。
メイン集団では、コンチネンタルチームが仕事をしなくなってしまったため、クラブチームの選手たちが協力して前を追いタイム差を詰めて3分差まで詰めましたが、それも長く続かずタイム差はまた広がり始めました。後続から追いたかったチームはここで一緒に仕事をするべきでしたが、ここが一番の選択をしなければいけない時間帯だったと思われます。
メイン集団は再びタイム差を広げていき、7〜9分の差が開いていたと思われます。(チームカーのラジオにはほとんど情報が入りませんでした。)先頭は終盤に向けて32名のまま進みました。レースが動いたのは残り5周に入った上り区間。アタックがかかり先頭集団が人数を減らしていきます。愛三では岡本が遅れてしまい、先頭に残った12名には早川と阿曽が残りました。さらに次の周回でもアタックがかかり、早川と阿曽が遅れてしまいます。先頭2名、追走3名、そして早川と阿曽がいる8名のグループになりましたが、そのグループは人数は多かったのですが先頭にチームメイトを乗せている選手が大半だったため、2名のアマチュアの選手と愛三の2選手しか前を追えないのでペースが上がりません。全日本選手権は上位15名にUCIポイントが付与されるのですが、全日本選手権は優勝が最大の価値であり、目の前に優勝ができるチャンスがあるうちは、わずかな希望でも策がある以上使わなければいけないと思っています。なので後続に前を追う指示を出して前の人数を増やしてでも追走もしくは連携で少しでも上位を目指すことを狙いました。
後続では優勝候補のシマノの入部選手やBSの窪木選手と共に小森が前を追走します。残り1周で早川と阿曽のいるグループに合流。一方入部選手のみその追走もパスして前を猛追していきました。その頃には先頭は3名、追走3名、で愛三3名のいるグループでしたが、そのグループは連携がうまくいかず前も追うことができず、そのグループでの着順争いになりました。最終的にそのグループから飛び出した阿曽が9位、小森が10位、早川が15位でのフィニッシュになりました。また住吉・渡邊にサポートされた黒枝は、前に追いつくことは叶いませんでしたが、24位で完走しました。終わってみると完走31名のサバイバルレースでした。
序盤まで有利に進んでいたレースでしたが、後半のアタックで全てが崩れてしまい、その後も残る布陣で最善に手を尽くしましたが、上位に絡むことはできませんでした。レースの展開もそうですが、選手個々の力は全くひけととっていないか、それ以上だと思っており、選手の精一杯走ったので、難しい結果になってしまったことに責任を感じます。圧倒的有利に進めていたはずがどこかでミスが起こり、それが糸口となり全てが綻んでしまった原因を究明して、チーム員皆で反省・改善をしなければなりません。
自分としてもこの結果を猛省して、今後も各チームから存在が恐れられるチーム作りに励みたいと思います。
応援ありがとうございました。
Text : Takumi BEPPU
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