2017年10月8日(日)
SUN HUNG KAI PROPERTIES HONG KONG CYCLOTHON 2017 HONG KONG CHALLENGE
本日のレースは香港にてUCI 1.1クラスのクリテリウムレースが行われ、愛三工業レーシングチームから住吉宏太、黒枝士揮、原田裕成、岡本隼の4名で臨んだ。
ワールドツアーチームも参加するレベルの高いレースではあるものの、レース名の通りチャレンジ甲斐のあるレースである。
有力チームはオリカ・スコット、UAE・アブダビのワールドツアー2チームとなる。その中でもUAEのモホリッチ選手は昨年の同大会を規格外の強さで制した実力者で、今大会も優勝候補筆頭。同チームのグァルディーニ選手はスプリントで強さを誇る。
また、オリカ・スコットも先の世界選手権タイムトライアル5位のダーブリッジ選手、昨年のパリ・ルーべを制したマシュー選手など強豪揃いで油断のできない布陣。その中で愛三工業は少数精鋭でどこまで展開で優勢を得られるかがポイントとなり、逃げを注意しながらも、集団スプリントでの勝負を考えていた。
レースは予想を覆す形でワールドツアーチームが積極的にアタックを繰り返す。盤石にレースコントロールし、集団スプリントに持ち込む予想をしていたが、序盤から波乱の予感をさせるほどの荒れたレース展開となる。その中心となっていたのは昨年の覇者、モホリッチ選手。レースはモホリッチ選手を中心とした動きとなり、早い段階で19名のエスケープが決まる。ここには住吉がしっかりとチェックで入り、後続と2分前後の差を保ちながら安定して逃げ続ける。この段階で原田がパンクトラブルに見舞われ、無念のリタイアとなる。
行程の半分を過ぎた頃、沈黙を続けていた後続から4名の選手がブリッジをかける。ここに岡本が入り、先頭との合流を果たした。この動きで先頭に住吉、岡本の2名、後続に黒枝を控える構図となり、どのような展開になっても対応できるパーフェクトなシチュエーションとなった。
しかし、岡本がブリッジに成功したタイミングで先頭集団の動きが再燃し、岡本には苦しい展開となり、それまで先頭で奮闘していた住吉も苦戦を強いられる。
先頭はばらけ、全選手が苦悶の表情を浮かべながらレースはいよいよ勝負の時間へさしかかる。住吉、岡本は苦しみながらも14位集団で粘り続け、この集団を1、2着でゴールし、それぞれ14位、15位でフィニッシュした。
また、ラップアップされてしまった後続集団の先頭は黒枝がしっかりと頭をとり22位でフィニッシュを果たした。この結果から合計で13点のUCIポイントを加算することができた。
6名エントリーの中、4名エントリーと少数で臨んだ今大会であったが、各選手がそれぞれの役割を果たし、完璧なレース運びをしてくれた。優勝したモホリッチ選手との実力差はあるものの、そこにチャレンジできたことは選手それぞれの糧になったことと思う。
頼もしくなってきた若手に今後も期待し、残りのレースもチャレンジを続けていきたい。
Text & Photo : Taiji NISHITANI
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