ツールドランカウイ直前選手インタビュー、最後は若手の早川朋宏と中根英登。2人ともにツールドランカウイは初参加になります。
チーム期待のクライマーの2人はどんな気持ちでマレーシアに来たのでしょうか・・・
【早川 朋宏】
Q:マレーシアへは以前2012年にアジア選手権で来たことがあるそうですが、今回ランカウイ島に入ってマレーシアの印象は変わりましたか?
早川:前回来た時と同じような印象ですね。インドネシアよりは少し過ごしやすくて、暑いのは暑いんですが、日本の真夏に比べたらマシですね。
Q:初参戦のツールドランカウイですが、どんな印象を持っていて、またどんな気持ちで臨みますか?
早川:ランカウイと言えば、2年前、2013年の大会で当時Nippo-De Rosaでのチームメイトだったアレドンド(ジュリアン・アレドンド選手:現Trek Factory Racing)が総合優勝をしたというのが一番印象に残っています。すごいなって思いましたよ。その後、とんとん拍子で上に行って、今でも活躍していますよね。ヨーロッパで勝ったこともあるとはいえ、この大会から、そしてアジアから上に上がっていったことには間違いないので、今回のレースがそういう道が開けるものだということを証明してくれたんですよね。だから、楽しそうだなと思います。
緊張はしていますが、がちがちな感じではなく、いい緊張感なので今はすごく楽しみです。去年走って、自分は粘りのある走りができると思ったので、今回も粘り強く総合を狙えるような走りができたらいいなと思っています。
Q:ところで、昔から知っている青いジャージのお兄さんたちの愛三の一員となっての1年間はどんな1年でしたか?(早川選手は、愛三工業レーシングチームの拠点でもある愛知県大府市の出身です)
早川:憧れでもあったチームの一員になれたという嬉しい気持ちももちろんありましたが、同時に、責任あるところに来たなという気の引き締まる思いもありました。そんな中で、充実した中で、満足できる走りはできました。
Q:2015年はどんな走りをしていきたいですか?
早川:やはり上りを磨いていきたいですね。今チームの中で一番上れているのは、ダントツで英登(中根選手)だと思うんですね。彼と一緒に練習もしているので、そこで彼についていけるくらいの登坂力をつけていきたいです。ただ、登坂力だけではゴールで勝てないこともあるので、スピードも同時に磨いていきたいなと思っています。
Q:英登選手がダントツとのことですが、昨年の早川選手は非常に安定した走りだったと思うのですが、自分ではどう思っていますか?
早川:そうですね。他のメンバーが天候に左右されたりした時に、自分は影響されなかったことのほうが多かったのでそういう印象になったのかなと思いますね。その安定している走りをもっとレベルをあげられれば、自分のアイデンティティというか、存在価値を上げられるのかなとも思っています。
元々、長距離を走るのが好きだったということもあるのですが、Nippo時代、そして愛三に入ってからも、「これを仕事にしている」という大きな自信を持って走っているので、そのことが安定した走りにつながっているのかなとも思いますし、もうひと踏ん張りできているのかなとも思います。
Q:改めて2015年の具体的な目標は?
早川:まずはこのランカウイを良い位置で走り切りたいですね。その後は、TOJや全日本といった大きな大会で狙っていけるようになりたいと思っています。表彰台にはなかなか上れていないので、まずはどの位置でも良いので、表彰台に上りたいですね。もちろん一番狙うは、真ん中ですが。
Q:ファンの方に何かメッセージはありますか?
早川:はい、(真剣に) やっぱりまずは綾部さんと早川朋宏の違いを是非しっかり認識していただきたいです。よく、「綾部、頑張れ!」って言われるんですよ 笑。サングラスも違いますし、他にもどっか違うところはあるはずなので、それを見つけてください。
そして是非今年は、「早川、頑張れ!」の応援をよろしくお願いします。
【中根 英登】
Q: 初めてのマレーシアということですが、マレーシアの印象はいかがですか。
中根:暑いですね。来たわー、東南アジアっていう感じです 笑。
インドネシアには4回行ったことがあるんですが、似たような印象もありますね。今回は特に冬の日本から来たので、いつも以上に、暑い! 来たぞ東南アジア! 笑
Q: チームがとても大切にしてきたこのツールドランカウイですが、愛三に加入して2年目にして初参戦の中根選手はこのツールドランカウイ、どんな気持ちで臨みますか。
中根:うーん、正直よくわからないんですよね。ヨーロッパにいた時に、今回のようなトップチームと一緒に走る機会はあったのですが、今回違うのは、この気候ですよね。トップチームの選手たちと走るという厳しさに、環境的な厳しさも加わるとどうなるのかというのは、ちょっとまだ想像できない部分もあるんです。
多分、今いる大会オフィシャルホテルもまだ大会の「空気」みたいなものもないので、どう表現したらいいかわからなくて、こんな言い方は、失礼かもしれないのですが、「まだ何とも思っていない・・・」という。よく言えばすごくリラックスしていて、気負いもなくて、「やれるんじゃないかな」なんて気がしています 笑
今年初め、1月にインフルエンザにかかってしまって、出鼻をくじかれた感はあったのですが、まだ日があったので、その後の沖縄合宿でしっかり練習もできたので良かったなと思っています。
Q: まだ上ったことのない、ゲンティン・ハイランドの山がレースでは控えていますが、その山についての思いは何か特にありますか?
中根: どうだろう・・・。さぁゲンティンだ、やらなきゃって思うのは、当日の朝かもしれませんね。当然ゲンティンを頑張るために選ばれているというのはわかっていますが、まずは第3ステージの前半に山があるので、そこでしっかり自分の走りを出せればいいなと思っています。
実は自分はシーズン初めのレースでは、気負いすぎて、頑張らなきゃって思いが強すぎて、がちがちになってしまったり、熱中症になってしまったりして上手くいかないことが多かったんです。それが今回はさっきも言いましたが、すごくリラックスできているのがすごく大きい気がしているし、この直前合宿の環境がすごく良いなぁと感じています。この感じをうまくレースにつなげていければいいのかなと思っています。多分・・・ですが何かをやれる!そんな気がしています!
それと、ゲンティンで、去年と一昨年勝っている選手がすごく身近な存在なんですよね。一昨年のジュリアン(ジュリアン・アレドンド選手/当時Nippo。現Trek Factory Racing)は当時チームメイトだったし、昨年のミルサマ(ミルサマ・ポルセイエディゴラコール選手:タブリーズペトロケミカル)はずっと一緒にアジアツアーを回りながら、山を上って戦ってきた選手。
ということは、自分もゲンティンで優勝を狙ってしっかり走れれば、彼らともしっかり肩を並べて戦っていけるということにも繋がると思っています。
Q: 愛三加入2年目となる英登選手ですが、昨年1年、特に引退した2選手(西谷・盛)と一緒に走ってどんなことを感じましたか?
中根: ヨーロッパのプロツアーのトップ選手より、西谷さん盛さんの身近な(憧れの)選手だったんです。その両選手と一緒に走れたというのはすごく貴重な経験でした。特に去年のツールドイーストジャワで中島さんがリーダージャージを着ている時に、あの超エース級な2人でも何も言わずに徹底的にアシストに回って、強い2人だからこそ、アシストも完璧だったんです。それを見せられたことはすごく大きいですね。
2人と同じ走りは脚質的にはできませんが、自分の走りをするところは自分の走りをするけれどもチームのために走る時には、しっかりチームのために走るというものすごいお手本を見せてもらったという感じでした。
これからの戦いに活かしていきたいと思っています。
Q:そんな英登選手の今年の大きな目標を教えてください。
中根:やっぱり山岳の多いレースで、去年は勝てなかったので、まずはステージで勝ちたいです。そして、更に総合も狙っていきたいです。自分の中ではあともう一歩だという感触はあるので、そこに踏み込めたときにまた何か変われるのかなと思います。近いようで遠い、でも決してはるか遠くはないところに見えている1番をしっかりとりたいですね。
去年は秒差で沈んだこともありましたが、今年はその秒差以上で自分がトップで勝てるようになりたいと強く思っています。特にこのレースという目標は自分の中では定まってはいないのですが、選ばれたレースで、自分にまかされた時にしっかりと勝てるようになりたいと思っています。去年ももちろん表彰台の真ん中目指して走っていましたが、そろそろ本当に真ん中に立ちます!
アジアツアーはヨーロッパのレースに比べると派手さもなく、日本に伝わる情報も少ないとは思います。そんな中で、愛三は、アジアで本当に力のあるチームだなというのを実感しています。自分たちの戦うアジアにも、是非目を向けてもらって、沢山の方に応援してほしいです!
勝利にこだわって頑張りますので、期待していてください! 応援よろしくお願いします!
Interviewer : Nana WATARAI
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