ツール・ド・ランカウイ直前選手インタビューの第2回目は、チーム最年長、ツールドランカウイでステージ優勝経験のある綾部勇成と、今年からキャプテンに就任、エーススプリンターを務める福田真平です。
新旧のチームキャプテンからは、どんな話が聞けるのでしょうか・・・。
【綾部 勇成】
Q:今回のツールドランカウイはどんな思いで臨みますか?
綾部:チームは、(2人引退したとはいえ)新しくなったというよりは去年からの続きで来ています。今回も山が強いメンバーが2人、他の4人でスプリントを狙うという感じですね。スプリントになるステージも多いと思うので、自分の役割もとても大きくて、重要なところをやることになると思っています。
1月にちょっと体調を崩してしまい、正直、自分がやりたかった練習ができなかった部分もあるのですが、それでも何とか調子を戻してきたので、みんなで協力してステージをとれるように頑張りたいと思っていますよ。今回はプロツアーのチームの数が少ないので、プロコン(プロフェッショナルコンチネンタル)のチームが頑張ってくるだろうな思うんです。自分たちもプロコン相手なら太刀打ちできる部分もあると思うし、やり方次第で十分いけると思っていますよ。
準備は万端です!
Q:昨年のメンバーからは2人が引退して綾部選手としては何か変わりましたか?
綾部:2人が抜けたことに関しては、自分としては特に変わっていないですね。いつかは新しいチームの流れというのは絶対に来るからそこは問題ではないです。
今年から自分はキャプテンではないので、これからは真平がチームの中心になって頑張っていってもらうという形になります。自分はいわばその中のチームメイトの1人となるわけですが、そこでの役割はチームの「おっさん」としてみんなの面倒を見る場所が変わるのかなと思っていますね。
言い方はちょっと難しいのですが、チームのこと、レースのことよりは普段の生活などで、みんなの輪を取り持ったりするような感じかなとイメージしています。
それと選手をまとめるという立場ではなくなったことで、違った角度から自分ができることがあるかなと思っています。
例えば、選手側から見たチームの良い部分、改善したほうが良い部分などを、スタッフに伝えていくことなどですね。
西谷もスタッフになったことでスタッフの数は増えて出来ることも増えてくるはずだと思うんです。資金の問題もあるとは思うんですが、より良いチームにするために何かをしていくのはいわば、「おっさん選手」の役割ですかね。笑
若い選手に比べたら、アジアツアーに行っている回数も多いし、シーズンこなしている回数も多いし、まぁ怪我をしている回数も多いんですが・・・苦笑、若い選手たちが感じたことのないようなことを沢山僕は感じてきたと思うので、それをうまく伝えていけたらいいなと思っています。それと、若い選手たちと考えていることや聞きたいことをどんどん話して言ってその中で自分がアドバイスができることもあると思っています。
Q:そんな中での綾部選手の今年の目標は?
綾部:そうですね・・・2人が抜けたことで自分がやるべきポジションはむしろ増えたかなとは思っているんです。平坦組に入ることも多くなるでしょうね。とにかく自分が関わった部分では誰かが勝てるようにしたいですね。
それと・・・自分も歳を重ねてきていて、しかも来年は、オリンピックの選考も絡んでくると思うので、もしかしたら、全日本選手権を自分が狙う立場になるのは今年が最後かもしれないって思っているんです。だからこそ全日本に向けて、みんなからの信頼を得られるような走りをこれからして、自分がエースとして走れるような状態になれたらいいなと思っています。他にも上りでのスプリントも自分の得意とするところなので、ステージを狙ったりもしていきたいですね。
Q:チームの勝利に貢献してきた綾部さんですが、また綾部選手自身の勝利も勝ちたいですよね?
綾部:はい、本当にもうずいぶん勝ってないですからね・・・。膝にはじまりあちこち怪我をして、結果は全く残せていないわけではないんですが、やっぱり勝ちたいですね。年齢をそんなに意識しているわけではないのですが、今年でアラフォーと呼ばれる年になるので、勝って、「中年の星」って言ってもらえるように頑張ります!笑
まだまだ頑張るので今年も応援よろしくお願いします!
【福田 真平】
キャプテン就任おめでとうございます。キャプテンとしての心境はいかがですか?
福田:ありがとうございます。笑
実は今までキャプテンというものをやったことがないので、どういうことをしたらいいのか、自分で何ができるのかいまだに模索中です。自分らしく、綾部さんに元キャプテンとして色々アドバイスをもらいながらやっていきたいなと思っています。
チームの中で自分が年齢的にもちょうど真ん中なので、それをうまく活かしていきたいと思っています。
後輩たちからも色々言いやすいかなと思いますし、上の先輩たちはいつもアドバイスをしてくれますから。
Q:そんな中、今回のツールドランカウイはどんな思いで臨みますか?
福田:去年は、第2ステージで落車をしてしまって、その後のステージでは勝負に絡むような走りが全くできませんでした。西谷さん、盛さん、そして綾部さんとでトレインを組んでくれて、その練習を重ねて、準備をしてきたんです。それに、あの2人が引退前の最後のツールドランカウイだったのにと思うと、本当に残念で仕方がありません。
その苦い経験も踏まえ、また今年自分がエースとして新しいトレインでやらせてもらうので、ステージ優勝を一番高い目標に掲げ、最低でもUCIポイントは獲得できるように頑張ります。当然プロツアーの選手もいる中で、位置取りから厳しい戦いになることはわかっていますが、可能性はゼロではないので、ステージ優勝という目標は絶対に変えずに行きたいと思います。そのくらい高い目標がなければレースへのモチベーションにもなりませんし。
今年は西谷さんが練習メニューを組んでくれてそれに沿って練習してきているのですが、仕上がり具合は、なかなか良いと思いますよ。
Q: 真平キャプテンの今年の目標はそうなると、まずはこのツールドランカウイということですね?それ以外ではどんな目標がありますか?
福田:そうです。まずは今回のレースが今年の大きな目標ですね。それと、もし出場出来たらツアーオブジャパンも頑張りたいです。自分はスプリンターですが、山もある程度はこなせるようになりたいなと思っているんです。上れたらもっと幅が広がると思うんですよね。チームとしても、もっと色々な考え方ができると思うのです。
偉大な先輩たち2人に代わってとは、なかなか言えません。でも、皆さんに、愛三のスプリンターと言えば「福田真平」と言ってもらえるようにこれからも頑張っていくので、今年も応援よろしくお願いします!
Text : Nana WATARAI
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