第26回ツール・ド・おきなわ2014
Nago - Nago
210km
【メンバー】
福田 真平
伊藤 雅和
平塚 吉光
小森 亮平
中根 英登
2014年はツール・ド・おきなわがシーズン最後のレース。シーズン終盤のレースだが、その厳しいレース内容と獲得できるUCIポイントから入賞することに非常に価値のあるレースだ。今年は若手中心のメンバーで挑んだが、自分としては十分に勝負できると考えていた。
チームの作戦は出来る限り勝負する段階で人数を残せること。毎年おきなわは後半にいかに力を残すことが大切になってくるので、極力前半に体力を使い過ぎないようにうまく立ちまわること。常に冷静でいられることがとても重要。
スタートしてしばらくして本部半島のアップダウンで17人ほどの先行グループが形成される。そこに愛三からは平塚と小森が入る。他のチームでエース級の選手は少なかったので、先頭の二人にはあまり積極的に引かないように指示。この逃げはまだ序盤の駆け引きの段階。
その後、国道58号を北上してく海岸線で有力選手を多く含む9名が追走を開始。ここで愛三の選手が乗れていない。メンバー的にこの逃げが抜けだしてしまったら集団が止まる可能性が高く、かなりの危険信号。実際にメインプロトンは動きが止まり、5分ほどの差が開く。
このままレースが終わってしまう可能性もあったため、福田が平坦でペースを上げて中根が1回目の普久川ダムの上りでアタックをかける。中根は頂上を越えたところ、追走集団が先頭を捉えるのとほぼ同じタイミングで先頭に合流。約4分差を詰めるヒルクライムを見せた。しかし、その後集団が活性化してアタックがかかり始め、ヒルクライムのダメージから回復していない中根は奥の上りで遅れてしまう。奥ではかなりのペースアップがあり、一時先頭集団がバラバラになる。
この辺りからレースの流れが変わり始めて、先頭集団のペースが落ちる。後続とのタイム差があまり開かない。というのも先頭に有力選手が多く乗ったことと、勝負所が後半だとみんなわかっているため、ここで力を使いたくない。2回目の普久川ダムの上りでは、後続のレースが上がり、ずっと3分くらい開いていた先頭とのタイム差が1分に縮まり、後続から追い付いてくる選手が出始める。愛三はここで平塚が遅れて先頭は小森のみになる。後続には伊藤がいるが、追い付いてくるにはかなり厳しい展開。
その後のアップダウンでも数多くの選手が先頭に合流。こうなるとはじめから逃げている選手にはかなり不利な展開。小森は先頭で必死に耐えぬくが、他チームが複数残しているところが多く、残り30km地点で先頭から遅れてしまう。小森はそのまま少人数で走り続け16位でフィニッシュした。最初から逃げていて厳しい展開だったが、先頭13人にもう少しだったので、悔しい結果だった。その後にはもう少しで先頭に追い付くことができた伊藤が21位でフィニッシュ。2月の怪我から復帰して、かなり頼もしい結果だったが、本人はもう少し上に行くことができたと言っていたので、今後の活躍が期待できる。
今回のレースは前半の逃げに2名を乗せたところはよかったが、追撃に乗れなかったところで一気に狂ってしまった。その後は展開をひっくり返す力は持っていたが、うまく活かすことができなかった。そして先頭集団のペースダウンで後続集団が追いついてきたのは予想外で、あれだけ強力なメンバーで形成された先頭集団でもおきなわでは逃げ切れないということが、このレースの苛酷さを物語っている。もっと展開が読めていれば、中根をアタックさせることなく第3集団で待機という作戦もとれたのでは、など反省点も多いレースとなった。
シーズン最後のレースとしてあまりよい感じで終わることができなかったが、この煮え切らない気持ちを来期のモチベーションにして選手たちにはこの冬に強化してもらい、チームとしてもよりよい環境を築いていきたい。
また1年間、監督リポートに目を通していただきありがとうございました。
来期に向けてまだいろいろな問題も残っていますが、
来シーズンも愛三工業レーシングチームはアジアを中心にグローバルな活動を目指します。
今後とも、応援よろしくお願いします。
Text : Takumi BEPPU
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