Tour de Okinawa 2013 (UCI 1.2)
210km
愛三工業レーシングチームとしてシーズン最後のツールドおきなわ2013に出場しました。一昨年は盛一大が個人総合優勝して西谷泰治が総合2位(当時はステージレース)、昨年は中島康晴が3位に入り、近年はチームと相性のよいレース。今年は西谷泰治、盛一大、中島康晴、伊藤雅和、平塚吉光とオールラウンドに走れるチームで臨みました。
チームの作戦では極力後半まで力を温存して、勝負どころで人数を残して対応するのが良案ということでまとまりました。ところが今年は序盤の本部半島からペースが早く、レースは例年とは違う展開をみせました。
前半に28人程の先行集団が形成されて愛三工業レーシングチームは2名の選手を乗せましたが、他の有力チームは3〜4名の選手を乗せていたので、この時点では不利だったのですが、タイム差が大きく開いてしまったため、チームでどうこうというよりは展開を流れに任せることに。というのも先行集団は人数が多いので、逆にうまく回らずにペースが落ち込むこともあるから。タイム差3分のまま1回目の普久川ダムの上りに入ると後続集団ではマトリックスのガルシア選手がかなり速いスピードで追撃を開始。愛三からは西谷がそこに入り、5名程で先行する。頂上を過ぎるとその勢いでその5名は先頭に追いつく。その後奥の上りを過ぎると後続集団も先行集団を捕らえ、レースは振り出しに戻る。そこから4名の選手が先行し、集団は2回目の普久川ダムの上りへ。そこでは特に動きがなく、レースは後半のアップダウンでの勝負になった。
終盤、先行する4名そして追走に3名となっていたところ、この時点で消耗した西谷が、盛と中島のために囮になり、他チームのアシストに足を使わせて先頭を捕らえようとアタックを試みたが、そこには各チームのエース級が合流。前にほとんどのチームのエース級の選手が行ってしまったため、思惑とは反対にそのままどんどんと差が広がってしまった。ここが勝負の分かれ目になってしまった。そこからはチームで後続集団を引いて前の吸収を狙ったが、先頭の人数が多く差が詰め切れなかった。西谷が遅れ2分30秒を前後して差がつまらない。
そして国道58号に出て、ラジオツアーの情報もあまりはっきりいないまま、盛が中島にスプリントを託して渾身のアタック。この時点で先頭は10人いたようだが、その時は情報も少なくもう行くしかない状況。盛はそこからタイム差を一人で1分ほど詰めたが前には追いつかず52秒差の11位でのゴールとなった。中島は集団の3番目の14位でのゴール。
今回のレースは序盤から後手の展開になってしまい、絶望的な状態からのスタートになったが、チーム力で可能な限り展開を戻し、後少しのところまで行ったが、最後までは詰め切れなかった。他チームの動きや実力、レースの距離や選手の仕上がりなど色々な面で判断が難しいレースだった。レースが動かせるチーム力があるだけに、その使い方のタイミングを誤ったのが敗因だろう。今回はシーズンの期末総仕上げテストのようなレースだった。
これで愛三工業レーシングチームの2013年内のスケジュールが終わりました。今年はレースのキャンセルが相次ぎ、レーススケジュールの全体的なボリュームが下がってしまい、UCIポイントを獲得するチャンスが限られてしまいました。しかしながら世界的にレースは減っていて、選手は行きが場なく、レース界の世界恐慌のような状態になってきています。そんな中で選手たちは着実に確実に出場するレースでUCIポイントを獲得しなければ行けません。環境は厳しくなってきていますが、今やることは確実に目の前にあることは確かです。厳しい状況ですが、2014年もチーム、そして選手たちの明るい未来のために、アジアを中心とする環境でレース活動をしていきます。
愛三工業レーシングチームを応援してくださっているファンの皆様、サプライヤーの皆様、おかげさまで今シーズンも無事に終わることができました。
2014年も応援よろしくお願いします!
Text, Takumi BEPPU
ツールドおきなわ2013
結果
1位 初山 翔(ブリヂストン・アンカー)Time 5h22m46s
2位 Jose Vicente TORIBIO(チーム右京)
3位 King Wai CHUNG(香港ナショナルチーム)
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11位 盛 一大
14位 中島 康晴
34位 西谷 泰治
35位 伊藤 雅和
FAD 平塚 吉光
出走96名/完走44名
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