REPORT

10/20-10/21 ジャパンカップ・サイクルロードレース2012 リポート

10月20日から10月21日に栃木県・宇都宮で行われたジャパンカップ・サイクルロードレース(UCI 1.HC)に出場しました。このレースは日本で行われるUCIアジアツアーの中で最高峰の1.HC(オークラス:超級)のレースで、欧米のUCIプロツアー、UCIプロコンチネンタル、国内外のUCIコンチネンタルチームが出場します。20日土曜日には宇都宮市街でクリテリウム、21日日曜日には宇都宮森林公園をスタート・ゴール地点にしてロードレースが行われました。

20日 ジャパンカップ・クリテリウム

土曜日に行われたクリテリウムではそれぞれ無理をしないという作戦で望みました。レースは逃げを試みる選手が多くいたものの、決定的な逃げは決まりませんでした。そして最後の1周の最終コーナーで落車が発生し、選手たちはそれぞれ前に上がっていきポジションを確保する動きをしていたのですが、西谷・品川以外はその落車によって足止めを受けてしまいました。ゴールスプリントは西谷が左側からスプリントをかけましたが、左側の縁石が変則的に飛び出していてブレーキをかけなければならず、右側のラインが先に伸びて、西谷は埋もれてしまって11位でのゴールになりました。優勝はSaxobank-Tinkoff Bankチームのヤロスラフ・マリチャ選手でした。

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宇都宮の市街地で行われたクリテリウム

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パレード走行中の愛三工業レーシングチーム

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11位でフィニッシュする西谷泰治


21日 ジャパンカップ・サイクルロードレース

日曜日のロードレースは快晴の中行われました。チームのミーティングで話したことは、もし終盤の一番ペースが上がったときに勝負ができないような状態なら逃げて山岳賞を狙うか、後続からの追走を前で待つか、前でアピールすること。また状態が良いようなら終盤のペースアップで勝負して、先頭に多く人数を残せるようにすること、ということを話しました。例年ジャパンカップは序盤から中盤にかけて日本人選手の逃げがあり、海外勢がコントロールをするという展開。そして後半はその逃げを捕まえるべくペースアップがあり、最後は古賀志林道での強力なアタックで集団がバラバラになり、それに食らいつけた選手が上位入賞をするという図式になっています。昨年は西谷が最後の集団に残ってスプリントで2位になっていたので、チームとしてはスプリントに持ち込むべく、もしアタックについていけなかったとしても諦めずに前を追って追いつくことができれば勝機はあると考えていました。

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出走サインを終え観客にアピールする選手たち

レースは序盤はいつものように日本人選手が9名逃げました。多からず、少なからずといった人数。それを集団は始めは2分前後でコントロールしていましたが、3周目には普通に引いているだけでタイム差が詰まってしまっていたので、その次の周からは3分前後でコントロールをしているようでした。例年だと5分〜6分くらいの差でコントロールをしていたのを考えると前の逃げがさほど強力でないか、日本人選手のレベルがあがっているのであまり余裕で放置できないかどちらかではないかと考えていました。どちらにせよ集団はあまりゆっくりペースではないということが窺えました。

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古賀志林道頂上のKOMポイント

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西谷 泰治

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鈴木 謙一

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品川 真寛

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盛 一大

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中島 康晴

レースは淡々と消化され、残り3周でアタックがかかりました。この辺りはラジオツアーがよく入らなかったのでAM放送を聞きながらの判断になりましたが、まず西谷を始め国内の有力選手を含んだ13人程の先頭集団が形成されるも、その集団は吸収されて、そこからカウンターで行ったグループが最後まで残ったグループになったようです。西谷はしっかりと反応をしたのですが、そこで脚を使った選手はほとんど次のカウンターアタックに入れなかったようでs。厳しいところから2回、3回とアタックできるのがプロツアーの真の実力なのでしょう。そこからは西谷がいる集団がメイン集団になり、前の集団は人数を減らしながらゴールへと進んでいきました。

最終的にはラスト1周で先頭は4名。そこから遅れた選手が3名。そして14名のメイン集団という状態のままゴールしました。優勝は4名のゴールスプリントを制したLiquigas-Cannondaleのイヴァン・バッソ選手。メイン集団のゴールスプリントでは、品川・西谷の順でゴールし、UCIポイントを各7点、6点獲得しました。

今年の大会の印象は、海外勢が今までよりもレースをしているということ。つまり1度の動きでレースを決めず、決定的になるまで勝負してきていること。これはまた日本人選手の実力が上がってきているから、彼らが実力を認めた上で真っ向勝負をしているということも言えるのではないでしょうか。しかしながらアジアのレースでこのスピード域のレースがあまり行われていないのも事実。欧州のスピードを体感できる貴重なレースとして、これからも大きな目標として目指していきたいと考えています。

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メイン集団でのゴールスプリント。品川11位。西谷12位。

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今期で引退する鈴木謙一・品川真寛を囲んで。

今後のレーススケジュールは11月10日〜11月11日に広島県・生口島で行われる「ツール・ド・いくちじま」、11月25日に沖縄県・名護で行われる「ツール・ド・おきなわ」(UCI 1.2)に出場します。今年は例年よりシーズンが長いですが、最後まで応援よろしくお願いします。

Text. Takumi BEPPU
Photo. Sonoko Tanaka

ジャパンカップ・サイクルロードレース
UCI 1.HC
結果
1. Ivan BASSO (LIQ) 4:01:58
2. Daniel MARTIN (GRS) s.t.
3. Rafal MAJKA (STB) s.t.
...
11. Masahiro SHINAGAWA (AIS) +1:39
12. Taiji NISHITANI (AIS) +1:39
31. Kazuhiro MORI (AIS) +6:15
37. Yasuharu NAKAJIMA (AIS) +10:08

DNF Kenichi SUZUKI

Start 68 riders / Finish 29 riders

ジャパンカップ・サイクルロードレース リザルト

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