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ツアー・オブ・チャイナについて

既に各メディアで報道されていてご存知の方も多いと思いますが、この度愛三工業レーシングチームは中国で行われているツアー・オブ・チャイナ2に出場中、大会主催者からの緊急の要請を受け、ツアーオブチャイナ2の参加を取りやめ、急遽日本に帰国することとなりました。

主催者からの主な理由として、反日暴動の勢いが激しく同じ中国人同士の中でも読めないくらいに膨らんでいること、それにより不測の事態に備えてチームの安全面を考慮しての判断だということ、また大会はTVなどで広く中国全土に伝わっているので、日本チームの存在が目立ちやすくターゲットにされやすいことなどを挙げていました。

愛三工業レーシングチームとしてもこのツアー・オブ・チャイナがシーズンの中でかなり重要な大会であり、この結果次第でチームの目標であるアジアツアーランキングの1位も視野に入っていたところだったので苦渋の選択を迫られましたが、大会主催者からの要請はほぼ決定であり、ぼくらとしてもレースを続けたかったのですがレースからの撤退を受け入れざるを得ませんでした。シーズン最大の目標が目の前にある状態でこのような結果になったことは非常に残念であり遺憾でしたが、今考えてもその決断は間違っていたと思うことはありません。

大会主催者ならびに大会関係からは愛三工業レーシングチームの退去を初めから推し薦めていた訳ではないと何度も謝罪の言葉をいただきました。私たちがステージ優勝をして大会を盛り上げることに貢献していること、プロチームとして誠実に参加して大会の成功に協力をしていること、大会側にとっても大切な存在であること、主催者から大会に参加してくれて感謝しているとの説明を受けました。だからこそ、愛三工業レーシングチームのの安全を第一に考え今後も支え合える関係であり続けたいことを想うと、大会主催者としても愛三工業レーシングチームの撤退は苦渋の決断だったということも聞きました。何より初めから追い返すつもりだったらツアー・オブ・チャイナ1が終わった時点で通達すればよいことで、ツアー・オブ・チャイナ2のプロローグ終了後に通達されたところにその辺りの感情は見え隠れしています。

またある街で反日の旗を振りかざしている若者たちがいたのですが、大会に参加している中国人の選手や通訳のスタッフからは、「この問題は国と国の政治の問題であって、政治とスポーツは分けられなければならない。私たちは愛三が好きだし、このような状況になってとても申し訳ないと思っている。中国人全員がそういう感情なわけではないけど、中にはああいうことをする人間がいるんだ。」という言葉を多くもらいました。また大会に参加している他国のチームからも同じような言葉を受けました。一刻も早く日本のチームが中国のレースに参加して、スポーツマンシップに法り、正々堂々と競い合える日を待ち望んでいます。

これに関連して、今後チームで参戦を予定していた同じ中国で行われるツール・ド・ハイナン(UCI Asia Tour 2.HC)、ツール・ド・タイフーレイク(UCI Asia Tour 2.1)の出場もキャンセルになりました。チームとしてはシーズン後半の予定が大きく変わってしまいましたが、しかしながら今後日本で行われるジャパンカップ(UCI Asia Tour 1.HC)とツール・ド・おきなわ(UCI Asia Tour 1.2)には予定通り出場します。

この度はみなさまにご心配をおかけしました。今後も愛三工業レーシングチームはアジアから世界を舞台に活動して行きます。みなさまの温かい応援が力になります。今後とも応援よろしくお願いします。

愛三工業レーシングチーム
監督 別府 匠

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通達後に中国人スタッフからのお願いで撮影した集合写真。

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