宇都宮市内の大通りを封鎖して開催された土曜日のクリテリウムに続き、翌23日(日)に行なわれた「ジャパンカップサイクルロードレース2011」。東日本大震災の影響でヨーロッパプロチームの来日が危ぶまれた今年でしたが、無事に大会が開催され、多くのロードレースファンが今年も古賀志の山道を埋め尽くしました。
愛三レーシングチームは同時期にHCカテゴリーの国際レース「ツアー・オブ・ハイナン」にも出場しており、選手9名が2手に分かれての参戦となりました。今年のジャパンカップには、エース西谷泰治選手、品川真寛選手・鈴木謙一選手の頼れるアシスト勢に加え、研修生ながらもその走りに期待のかかる若手ライダー 早川朋宏選手を加えた4名での戦いとなりました。
年間のレースの中でも、このジャパンカップでの勝利に格別の思いを抱いてきた西谷選手。日本で開催されるアジア最高峰のワンデーレース「ジャパンカップ」で日本人が勝たなければならない・・・そんな思いで毎年アグレッシブな走りを魅せてきました。
昨年はゴールスプリントで敗れ4位、惜しくも表彰台は逃しました。しかし目標は表彰台ではなく、あくまでも優勝。今年は他チームより人数も少なく決して万全の体制とは言えないものの、チーム一丸となり勝利を掴み取るべく戦いに挑みました。
ジャパンカップサイクルロードレース2011
10月23日(日) 栃木県・宇都宮市森林公園
text:Mitsuteru TANAKA photo:Tsubasa SAWADA,Yukari HASHIMOTO
心配されていた天気も持ち薄曇りの中スタートを迎える
今年のジャパンカップは「ツアー・オブ・ハイナン」と重なっているため、愛三は他より1名少ない4名でのエントリーとなった。作戦としては、最初に何人かの逃げグループが形成されそれをプロツアーチームがコントロールし、残り5周回くらいからペースが上がり主要のメンバーが残るという例年のパターンを念頭に置き、特に最初の逃げには入らず勝負がかかる局面まで4名全員が残りUCIポイントが獲得出来る15位までに入れるようレースに挑んだ。
前日のクリテリウムレースは雨に降られたが、ジャパンカップは朝から霧が出ていて曇り空。路面は濡れているものの雨に降られる心配は無いであろう。レースは定刻通り10時にスタートした。
1周目の古賀志林道でアタックはかかるが決定的な動きは生まれない。下りで何人かの逃げグループが形成され、リクイガスチームが集団のペースを抑えて1分40秒の差がついた。逃げたメンバーは、初山選手と柿沼選手(宇都宮ブリッツェン)、内間選手と小森選手(ダンジェロ&アンティヌッチィ・NIPPO)、青柳選手(シマノレーシング)、永良選手(マトリックス)、スティール選手 (ジェネシス)、吉田選手(ジャパンナショナルチーム)の8名。
メイン集団は、リクイガス、アスタナ、ランプレ、サクソバンクのプロツアーチームが一人づつアシスト選手を入れて集団のペースをコントロールする。逃げる先頭8名とメイン集団とのタイム差は最大で3分30秒前後。残り5周回付近からじわじわと先頭とのタイム差が縮まっていく。
今大会がラストランとなる柿沼選手を含む8人の逃げが決まる
プロツアー選手がコントロールするメイン集団は9周回目の山岳賞を過ぎた辺りで逃げていた8名すべてを吸収。この後何度となくアタックがかかるが、勝負は先行する新城選手(ジャパンナショナルチーム)とモーリ選手(ランプレ)の2名を西谷選手を含む集団が追う展開にもつれ込む。
先行する2名は追走に15秒差でゴールを目指すがゴール前500メートルでけん制に入り、猛追をかけた追走に吸収されラストはゴールスプリントへと持ち込まれた。佐野選手(ダンジェロ&アンティヌッチィ・NIPPO)が先行、それを西谷が追従しこのまま佐野選手をかわして優勝かと思われたが、ネイサン・ハース選手(ジェネシス)が驚異的な追い込みで佐野選手と西谷をかわし優勝を勝ち取った。西谷は昨年の4位を上回る2位でゴールした。
先頭で最終周回へと向かう新城選手ら 先頭を追う西谷選手と品川選手ら 追い込んだ西谷選手だったが惜しくも2位でゴール photo:Kei Tsuji / http://www.cyclowired.jp/
レース直後の表情 悔しさとやり切った安堵感が入り混じる
今年のジャパンカップは4 名での出場と他チームより少ない人数で戦ったが、4名の選手みんながしっかり各々の役割を果たし西谷が2位に入ることが出来ました。あと1歩で優勝でしたがこの目標は来年叶えたいと思いますので、ファンの皆さん今年以上のご声援をよろしくお願いします!(田中光輝GM)
西谷泰治選手のコメント 毎年ジャパンカップでは優勝を狙ってきているので、今年もう少しのところまで見えていたが最後さされてしまい逃してしまったのは残念。ツールドチャイナでの落車で膝裏の筋肉を傷めてしまい、まともに練習をすることができなかった中、ここに調子を持ってくることは非常に難しかったが、今の体調から言えば最低限の走りができたのではないかと思う。悔しいが来年に繋がる結果を残すことができたかなと思っています。
ジャパンカップサイクルロードレース2011 結果
1.ネイサン・ハース(ジェネシス・ウェルスアドヴァイザーズ)
2.西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)
3.佐野淳哉(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)
4.ダミアーノ・クネゴ(ランプレ・ISD)
5.畑中勇介(シマノレーシング)
6.マヌエーレ・モーリ(ランプレ・ISD)
7.ダミアーノ・カルーゾ(リクイガス・キャノンデール)
8.清水都貴(チームブリヂストン・アンカー)
9.クリスティアーノ・サレルノ(リクイガス・キャノンデール)
10.イヴァン・バッソ(リクイガス・キャノンデール)
17.品川真寛(愛三工業レーシングチーム)
25.鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム)
42.早川朋宏(愛三工業レーシングチーム)
アジア最優秀選手賞 西谷泰治
※10月22日(土)に開催された「ジャパンカップクリテリウム」の写真は後ほど掲載しますのでしばらくお待ち下さい。
愛三レーシングチームは同時期にHCカテゴリーの国際レース「ツアー・オブ・ハイナン」にも出場しており、選手9名が2手に分かれての参戦となりました。今年のジャパンカップには、エース西谷泰治選手、品川真寛選手・鈴木謙一選手の頼れるアシスト勢に加え、研修生ながらもその走りに期待のかかる若手ライダー 早川朋宏選手を加えた4名での戦いとなりました。
年間のレースの中でも、このジャパンカップでの勝利に格別の思いを抱いてきた西谷選手。日本で開催されるアジア最高峰のワンデーレース「ジャパンカップ」で日本人が勝たなければならない・・・そんな思いで毎年アグレッシブな走りを魅せてきました。
昨年はゴールスプリントで敗れ4位、惜しくも表彰台は逃しました。しかし目標は表彰台ではなく、あくまでも優勝。今年は他チームより人数も少なく決して万全の体制とは言えないものの、チーム一丸となり勝利を掴み取るべく戦いに挑みました。
ジャパンカップサイクルロードレース2011
10月23日(日) 栃木県・宇都宮市森林公園
text:Mitsuteru TANAKA photo:Tsubasa SAWADA,Yukari HASHIMOTO
心配されていた天気も持ち薄曇りの中スタートを迎える
優勝候補の1人としてメディアに応える西谷選手 ジャパンカップに照準を合わせてきた品川選手はいつものスマイル 最終局面までのサポートに期待がかかる鈴木謙一選手
本日のスタッフです
出走サインを終えインタビューを受ける西谷選手
愛三レーシング出場メンバー
ファンの皆さんとの交流風景はジャパンカップならでは
世界を駆けるプロ選手を含む全出場選手がスタート位置に着く
今年のジャパンカップは「ツアー・オブ・ハイナン」と重なっているため、愛三は他より1名少ない4名でのエントリーとなった。作戦としては、最初に何人かの逃げグループが形成されそれをプロツアーチームがコントロールし、残り5周回くらいからペースが上がり主要のメンバーが残るという例年のパターンを念頭に置き、特に最初の逃げには入らず勝負がかかる局面まで4名全員が残りUCIポイントが獲得出来る15位までに入れるようレースに挑んだ。
前日のクリテリウムレースは雨に降られたが、ジャパンカップは朝から霧が出ていて曇り空。路面は濡れているものの雨に降られる心配は無いであろう。レースは定刻通り10時にスタートした。
1周目の古賀志林道でアタックはかかるが決定的な動きは生まれない。下りで何人かの逃げグループが形成され、リクイガスチームが集団のペースを抑えて1分40秒の差がついた。逃げたメンバーは、初山選手と柿沼選手(宇都宮ブリッツェン)、内間選手と小森選手(ダンジェロ&アンティヌッチィ・NIPPO)、青柳選手(シマノレーシング)、永良選手(マトリックス)、スティール選手 (ジェネシス)、吉田選手(ジャパンナショナルチーム)の8名。
メイン集団は、リクイガス、アスタナ、ランプレ、サクソバンクのプロツアーチームが一人づつアシスト選手を入れて集団のペースをコントロールする。逃げる先頭8名とメイン集団とのタイム差は最大で3分30秒前後。残り5周回付近からじわじわと先頭とのタイム差が縮まっていく。
今大会がラストランとなる柿沼選手を含む8人の逃げが決まる
メイン集団
沿道には今年もたくさんのファンが詰めかけ熱戦を見守る
今年も愛三サポーターズが至る場所で応援してくれました!
西谷選手を全力でサポートする愛三アシスト勢 山岳(周回)ポイントを通過すると下りに入っていく
レース終盤にむけて集団内で走る愛三レーシング 補給をする赤星マッサー
プロツアー選手がコントロールするメイン集団は9周回目の山岳賞を過ぎた辺りで逃げていた8名すべてを吸収。この後何度となくアタックがかかるが、勝負は先行する新城選手(ジャパンナショナルチーム)とモーリ選手(ランプレ)の2名を西谷選手を含む集団が追う展開にもつれ込む。
先行する2名は追走に15秒差でゴールを目指すがゴール前500メートルでけん制に入り、猛追をかけた追走に吸収されラストはゴールスプリントへと持ち込まれた。佐野選手(ダンジェロ&アンティヌッチィ・NIPPO)が先行、それを西谷が追従しこのまま佐野選手をかわして優勝かと思われたが、ネイサン・ハース選手(ジェネシス)が驚異的な追い込みで佐野選手と西谷をかわし優勝を勝ち取った。西谷は昨年の4位を上回る2位でゴールした。
先頭で最終周回へと向かう新城選手ら 先頭を追う西谷選手と品川選手ら 追い込んだ西谷選手だったが惜しくも2位でゴール photo:Kei Tsuji / http://www.cyclowired.jp/
レース直後の表情 悔しさとやり切った安堵感が入り混じる
走り終えた4人
表彰式。アジア最優秀選手賞も獲得した
今年のジャパンカップは4 名での出場と他チームより少ない人数で戦ったが、4名の選手みんながしっかり各々の役割を果たし西谷が2位に入ることが出来ました。あと1歩で優勝でしたがこの目標は来年叶えたいと思いますので、ファンの皆さん今年以上のご声援をよろしくお願いします!(田中光輝GM)
西谷泰治選手のコメント 毎年ジャパンカップでは優勝を狙ってきているので、今年もう少しのところまで見えていたが最後さされてしまい逃してしまったのは残念。ツールドチャイナでの落車で膝裏の筋肉を傷めてしまい、まともに練習をすることができなかった中、ここに調子を持ってくることは非常に難しかったが、今の体調から言えば最低限の走りができたのではないかと思う。悔しいが来年に繋がる結果を残すことができたかなと思っています。
ジャパンカップサイクルロードレース2011 結果
1.ネイサン・ハース(ジェネシス・ウェルスアドヴァイザーズ)
2.西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)
3.佐野淳哉(ダンジェロ&アンティヌッチィ・株式会社NIPPO)
4.ダミアーノ・クネゴ(ランプレ・ISD)
5.畑中勇介(シマノレーシング)
6.マヌエーレ・モーリ(ランプレ・ISD)
7.ダミアーノ・カルーゾ(リクイガス・キャノンデール)
8.清水都貴(チームブリヂストン・アンカー)
9.クリスティアーノ・サレルノ(リクイガス・キャノンデール)
10.イヴァン・バッソ(リクイガス・キャノンデール)
17.品川真寛(愛三工業レーシングチーム)
25.鈴木謙一(愛三工業レーシングチーム)
42.早川朋宏(愛三工業レーシングチーム)
アジア最優秀選手賞 西谷泰治
※10月22日(土)に開催された「ジャパンカップクリテリウム」の写真は後ほど掲載しますのでしばらくお待ち下さい。
西谷選手頑張りましたね。おめでとう。
かっこいいです☆(^^)☆
ゴール前200位の所で見ていました。最後NIPPOの佐野選手が行っちゃうかと思ったのですが西谷さんのスプリントの伸びが素晴らしかった。
廻りの観客皆絶叫、自分も無茶興奮、鳥肌立ちました!宇都宮まで観に行って良かったです、素晴らしいレースありがとうございました。
西谷さん2位おめでとうございます!