毎年恒例の夏の最後のイベント、シマノ鈴鹿国際ロードレースに出場しました。今年は自動車関連企業による輪番操業のため、イベント自体の参加人数が減ってしまっていたのですが、会場は参加されていた方々で十分に盛り上がっていました。今回愛三工業レーシングは全日本選手権以来の9人全員での参加になりました。ツアーオブチャイナ前の最後のレースとして、チームとして何ができるかを目標に出走しました。少々監督の懺悔になってますが、リポートです。
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第28回シマノ鈴鹿国際ロードレース
8月28日(日) 三重県・鈴鹿サーキット 6km×10周 60km
text:Takumi Beppu
Special Thanks, Photo:Tsubasa Sawada(Aisan Supporter's club)
おそらくその日の一番日が高い時間の14時40分にレースはスタートしました。愛三工業レーシングのオーダーとしては今回は9人と人数が多いので、特にエースは決めずチームでまとまって攻めて集団を少人数に絞り、そこから脚のあるメンバーで勝負していくという作戦にしていました。イメージ的にはちょうど2009年にスキルシマノチームがレースを支配したような感じです。しかしこの作戦に選手たちにとってあまりに抽象的だったために、うまく機能させることができませんでした。
レースはアタックの繰り返しで集団は常に落ち着いていない状況で、逃げができたり吸収されるの繰り返し。序盤鈴木選手と伊藤選手を含む逃げが形成されしばらく逃げ続けましたが、メンバーがあまりよくなかったので、これもあえなく吸収。もともとはチームでまとまってペースを上げ、人数を絞り込んでいくことを考えていましたが、作戦が抽象的だったためにイメージがうまく選手たちに伝えられていないようでした。選手の走っている位置からも連携がうまくいっていないように思えました。まあ、今回初めて試してみようと思ったことなので無理はありませんが。始めから有力選手をマークして逃げで勝負したほうが無難なのはわかっていましたが、せっかく9人全員いることやコースがほぼフラットということで、チーム一丸となって攻めることをしたほうが今後のためにいいと思い試してみたのですが、ここはちょっと監督が選手に厳しいことを言い過ぎたかもしれません。ここは自分の采配ミスを感じています。もともとの作戦がうまくいかないとその後の展開に迷いが出てしまうのは否めません。
そんな中、カウンターアタックでメンバーのよい逃げが形成されました。愛三からはそこに福田選手、そして木守選手が追走していました。そこに盛選手が後ろから合流して3名入ることができたのですが、木守選手が遅れてしまい2名に。シマノは走れている選手を3名乗せていたのでちょっと不利に感じましたが、平坦に強い盛選手、福田選手に期待してそのまま行くことにしました。それでも後ろの集団から抜け出して少人数で前に追いつく可能性もあるので、しっかりと追走に反応することと、チームのもともとの作戦を使って前に追いつく可能性もあるので、けっして逃げが決まったからそれで終わりというわけではなく、気持ちは「前に前に」でした。
前の逃げ集団は13人に絞られましたがシマノの3人の動きがよく、他チームは苦しめられている展開。そこで盛選手は流れを見てよく粘りました。後ろの集団は愛三がメインになって集団のペースを上げ人数を絞ることには成功しましたが、他チームの協力を得ることができず前に合流するまでには至りませんでした。
そしてゴール前で、盛選手、FDJのJeremy Roy選手とシマノの畑中選手の3名の勝負になり、盛選手は2番手でスプリントを開始しましたが、それまでのアタックの反応に力を使ってしまい、追い込みきれずに2位でゴールになりました。しかし盛選手らしい強さを魅せたよいレースだったと思います。そして一度遅れてしまったものの、追いついてスプリントに参加した福田選手が8位。愛三としては悔しいレースになりました。今回は選手たちをうまく導くことができず今までで一番反省しているレースかもしれません。今後は状況に応じてわかりやすく選手たちに展開を伝えることが大切に感じました。
次のレースは9月9日から9月20日まで中国・西安を中心に行われるTour of China(UCI 2.1)と実業団加東ロードの2レースに分かれて参加します。なのでツールド北海道ですが、今年はTour of Chinaに出場のため出場できません。北海道のファンの方々に直接応援していただくのはただでさえ機会が少ないのですが、僕たちの目標を達成するための苦渋の選択です。今後再びツールド北海道には出場したいと考えていますので、次の機会を楽しみにしています。
今後とも応援よろしくお願いします。
第28回シマノ鈴鹿国際ロードレース 結果
1. 畑中勇介(シマノレーシング)
2. 盛一大 (愛三工業レーシング)
3. Jeremy Roy(フランス、FDJ)
4. 西薗良太(シマノレーシング)
5. マリウス ヴィズィアック(マトリックス パワータグ)
6. 普久原奨(ブリヂストンアンカー)
8. 福田真平(愛三工業レーシング)
23. 品川真寛
31. 伊藤雅和
33. 中島康晴
36. 鈴木謙一
40. 西谷泰治
85. 木守望
91. 綾部勇成
完走107名
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