「ディアサポーターズ」ではレースリポートだけでは分からないチームの素顔をお届けします。スタッフNanaさんから届いた現地リポートです。
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ツール・ド・韓国2011 第2ステージ
text.photo:Nana WATARAI (Aisan Racing Team)
Tour de Korea 第2ステージが無事に終了しました。
今日のステージは、213.3kmでしたがその前にパレードが11.4kmあったので、実際に選手は224.7kmを走りぬきました。
昨晩。宿泊したMotelから出発する際にはご近所のMotelさんから他のチームが出てきました。
やっぱり不思議な光景でした。
スタート地点はほんの数kmのところだったので、選手はもちろん自走で向かいました。
今日のスタート地点ではレース前に、韓国のアイドルダンサー(?)の4人組が会場を盛り上げてくれました。
レース前、リラックスする選手たち
レースはほぼ定刻の10:01にスタート。
今日は2011年に新規加入した、「ナカジ」
こと、中島康晴選手が、逃げに乗り、途中最大4分以上までタイム差を広げての熱い走りが見られました。
いつも応援してくださっている皆さんはもうお分かりかと思いますが、逃げが決まると、サポートをするチームカーは、監督の判断または選手からの要望に応じて、逃げとメイン集団の間を行ったり来たりします。
今日はその話を少し。
行ったり来たりとはいえ、実際は行ったり待ったりと言ったところでしょうか。
通常集団の後ろに位置するチームカーは、逃げが決まり、集団とのタイム差が1分以上開いた場合、先頭集団まで行くことが許されます。ただし、途中追走がいる、道幅が狭いなど状況により行けない場合もありますし、勝手に行っていいわけでもありません。
まず集団のすぐ後ろ、チームカー序列の一番前に走行しているコミッセールカーの隣まで行き、前に行きたい旨を伝え、(何も言わなくてもすぐにわかってくれる場合もあります)。許可をもらってから、集団を抜かして先頭まで行きます。
簡単に集団を抜かすと言っても、100名近い選手が走る集団を追い抜くのは状況によっては難しいこともあるのです。
無事に集団を抜かして前を目指しても、タイム差が開いた場合、またその国の事情などにより、一部交通規制が解除されている場合もあります。
急ぎたいのは山々でも対向車ばかりか脇から車や人が出てくる可能性、そして前に車が走行している場合もあるので、監督は本当に大変です。
先頭の選手に補給渡したり、その後の展開などを指示した後は、そのまま先頭にいることもありますし、再度メイン集団に戻ることもあります。
これは監督の判断で色々なことを想定して動きます。
戻るといはいえ、逆走できるわけではないので、道路の脇に車を停め、集団が通過するのを待ちます。
その際にタイム差を計測して伝えたり、また何か選手に伝えたい場合は大きな声で叫んだりもします。
今日のように約140km位逃げが続くと本当に何度も行ったり戻ったりを繰り返しました。
ただ、タイム差が1分を切ると半強制的に集団の後ろへ戻されてしまい、先頭についてサポートすることはできなくなってしまいます。
集団が15人以下の場合は、補給やサポートを集団のすぐ横までチームカーで行って行えます。
匠監督が何度もナカジ選手に声をかけていました。
集団を抜くときにうまく写真が撮れればよいのですが、結構なスピードで抜いていくのであまりうまく撮れていなくてすみません…。
今日も良いお天気の中でのレースとなりました。
満開の桜はすでに散り始めていて、今日は風も強かったので桜吹雪もとてもきれいでした。
レース後選手に聞いたら、選手はきれいというよりは、走行中、目に入ったりして意外と大変だったようです。
本日逃げに乗り、スプリントジャージを獲得したナカジ選手。
表彰を待つ間、「ちょっと車に戻っていいですか」とナカジ選手。
私が行くよと言っても、「いや、自分で行きます」と言って持ってきたのは写真にも写っているバッヂでした。
このバッヂは、セントレアからソウルに来る際に搭乗したチェジュ航空の機内でもらったものだそうです。
全員に配られたわけではなかったのですが、ナカジ選手はもらえたそうです。
「せっかくなんでこれをつけて表彰台に登ります」何ともナカジらしいお話でした。
表彰の後は、今回のチーフコミッセール、ピーター氏と、先頭集団にずっとついていてくれたCOM2のジャマル氏とも記念撮影。
そこへ同じく表彰を終えたTabrizのTobias (通称トビー)が来て一緒に撮影をしました。
レース中はライバルの彼も、いつもアジアツアーを一緒に回っている明るい仲間です。
その後地元のテレビの取材も受けました!
大忙しの一日が終わったナカジ選手のコメントです。
「前半、思い通りの展開が作れていなかった中で、登りの頂上で集団が一つになった直後、下りでうまく抜け出して、4人で逃げました。
初日に遅れてしまった分、何かをしなくちゃいけない、何かをしたいという思いがあったので、逃げられたことは良かったなと思っています。
スプリントポイントは2回あって、1回目は1位で通過したんですが、2回目はちょっと油断があったかなという気がしいます。残り15kmくらいで残念ながら吸収されてしまいましたね。
調子は実はあまりよくはなかったのですが、今日をきっかけに良い方向に向かってくれたら、いえ、いかせたいなと思っています。
去年ヨーロッパのレースで繰り上げで山岳ジャージは着ましたが、今回は正真正銘のジャージなのでとても嬉しいです。
先月のJelajah Malaysiaで途中まで山岳ジャージを着た、ケンケンさんがジャージの重みをすごく感じたということを話していましたので、ケンケンさんとの話を沢山聞きながら、自分も体感しながら守っていけるように頑張ります。
正直今は自信より、不安もあるのですが…。チームメイトが皆、支えてくれるので、やるだけのことはやります!しっかりとりにいきます!」
日本の皆さんへ
いつも応援ありがとうございます。
明日も元気に頑張ります!
明日も203.3kmのロングステージ。スタートはかわらず午前10:00です。
日本からの応援も引き続きよろしくお願いします。
裏側現地レポートいつも楽しみにしてます!
ナカジ選手スプリントジャージおめでとう!!
頑張れアイサン(*3*)