本日2月1日(火)は、ツール・ド・ランカウイ2011(UCI2.HC)の最終日
第10ステージが行なわれました。
10日間の戦いが終わりました。
日本単独チームとして再び参戦した今年の「ツール・ド・ランカウイ」は、昨年の「初挑戦」とは違い「昨年以上の成績」が求められました。別府監督も「ステージ優勝はもちろん、総合10位以内」を掲げ、自身も初采配となるレースに向け士気を高めていました。初戦にしてオークラスというハイレベルな大会に向けて、早々に現地入りし事前合宿を行なった愛三レーシング。出場する6選手の特色を存分に生かすため平坦と山岳の各ステージでエースを置き狙いを定めて挑みました。
平坦ステージでは西谷泰治選手でのゴールスプリントにチーム一丸となりトライ。優勝という結果には結びつかなかったもののHCクラスにおけるUCIポイント獲得順位の8位入賞も果たしました。
そして2つの難関山岳ステージにおいては、綾部選手・鈴木選手の山に強い2名で勝負をかけ、同じ山岳でも「スピード系クライマー」に有利とされた第4ステージ「キャメロンハイランド」で綾部勇成選手が見事優勝を勝ち取りました。総合リーダージャージも獲得しUCIポイントもこのステージで30点獲得することができました。
手に入れた黄色のリーダージャージは、翌日の超級山岳「ゲンティンハイランド」で手放す結果となりましたが、その後の第6から最終日までは再びステージ優勝を目指し戦いました。2日目に品川選手が不運の落車によるリタイア、その後も盛選手、鈴木選手の2名を体調不良で欠くこととなりラスト2日間は3名に・・・。しかし今日の最終日も人数の不利を感じさせない走りを見せ、綾部選手がステージ9位、チームとしては区間2位・アジア1位と一丸となり戦い抜くことができました。
例年にない異常気象で大雨の被害も多々あった今年のツール・ド・ランカウイでしたが、レースオーガナイザーや関係機関のご尽力で素晴らしいレースが維持され、無事に10日間の戦いが幕を閉じました。
ファンの皆さまには連日たくさんの応援を頂き本当にありがとうございました。
今シーズンは始まったばかり。今後も国内外のレースで愛三レーシングらしい走りを見せてくれることと思います。どうか温かい応援をよろしくお願いします!
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ツールドランカウイ2011 Race Report (stage10)
text.Takumi BEPPU (Team Manager)
photo.Yuko.SATO http://www.cyclowired.jp
最終日を迎えた別府監督と3人の出場選手たち
福田真平選手
綾部勇成選手
西谷泰治選手
今日のスタート地点
沿道には多くの観客が
クアラルンプールの周回コースを走る
今日は最終ステージ。UITM Shah AlamからKuala Lumpurの周回コースに入り6周回する104.6kmです。レースはスタートからマレーシアナショナルチームがアタック。今日のマレーシアナショナルチームはとても積極的で、一人捕まったらまた一人とアタックを繰り返していた。集団はCCCPolsatがコントロールし逃げができても最大30秒くらいしか広がらない。
最終的にマレーシアナショナルチームの選手が一人逃げた状態でレースは周回コースへ。周回に入ってから集団は活性化して、吸収・逃げを繰り返す。愛三の3選手たちはラストのスプリントに向けて温存する。
そして最終周回、決定的な逃げは決まらずゴールスプリントに。優勝は再びファルネーゼ・ネーリのグアルディーニ選手。この優勝で今大会5勝目を挙げた。愛三は綾部選手が9位、福田選手が14位、西谷選手が36位でフィニッシュ、今日もチーム区間順位は2位で、アジアチーム区間順位は1位でした。
UCIポイント獲得は逃したものの日本人唯一の10位以内でフィニッシュ
綾部選手
福田選手は14位でゴール
西谷選手
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<別府匠監督 ツールドランカウイ2011総評>
10日間のレースが幕を下ろしました。
今回のレースは自分の中で3つのパートに分けて考えていました。
最初の3ステージは平坦基調の直線ゴールだったので、隊列を組んだスプリントで優勝を目指しました。今回は綾部選手が山岳を狙うということで、いつもの発射台の役割ではなく最初の位置取りの役をしたので、発射台は若い福田選手にトライしてもらいました。最初はうまくいかなかったのですが、先輩のアドバイスを聞いて日に日に動きは良くなりました。残念ながら優勝はできませんでしたが、この調子で吸収していけば今後すばらしいトレインで優勝できると思います。チーム的にもよい形が経験できました。
第4・第5ステージの山岳コースは、綾部選手と鈴木選手にプロコンチネンタルの選手達とどれだけ渡り合えるかをトライしてもらう作戦でした。第4ステージでは綾部選手が区間優勝、そしてリーダージャージの獲得と「いい意味」で期待を裏切ってくれました。これまでUCIレースでの優勝経験がなかった綾部選手ですが、去年から入賞数は多く常に安定感のある走りをしていたので、今回の優勝はその積み重ねからなる実力だったと思います。これがチームに勢いをつけてくれました。
第5ステージのゲンティンハイランドは厳しい戦いになりましたが、上り口までの平坦はチームでコントロールし存在感をアピールし、綾部選手もリーダージャージの気迫でクライムしていました。鈴木選手は残念ながらスローパンクで序盤で遅れてしまい実力が発揮できなかったのが悔やまれます。結果は出せませんでしたが悔いを残さない素晴らしい戦いができました。
第6ステージからは区間優勝を狙う走りとして、逃げる選手とゴールスプリントをする選手と分けてステージを狙っていく作戦で臨みました。第6・第7ステージでは、鈴木選手がゴール前まで逃げ続けとてもいい動きをしていました。こういう動きが普通になってくれば、近いうちに逃げ切り、優勝とできてくると思います。ゴールスプリントも常に20位以内に2名以上入る走りで、日々のチーム区間順位は連日上位に入りチーム層の厚さをアピールしました。
残念だったのは序盤のステージでの落車で品川選手を失い、後半のステージでは盛選手、鈴木選手を体調不良で失ったことです。たらればですが、もし前半、後半と選手が全員揃っていれば、結果はもっと違ったものになっていたと信じています。こればっかりは監督の采配が物を言うところだと思うので、しっかりと選手の体調管理から作戦まで整えていかなければならないと感じました。
ツールドランカウイが終わってからはしばらくレースがありませんが、その間に今回の反省点・改善点などを洗い出し、次のレースにつなげていきたいと思います。次のレースは3月に行われるJelajah Malaysia(UCIアジアツアー2.2)になります。昨年自分が総合2位になったレースです。今回は個人総合優勝を目指します。
初めて務める監督業がハイクラスの「ツール・ド・ランカウイ」からでしたがたくさんのことを学ぶことができました。至らない自分の元で自分を信じて共に戦ってくれた選手、スタッフにはとても感謝しています。そして応援してくださったファンの皆様のおかげで乗り切った10日間でした。ありがとうございました。引き続き愛三レーシングの応援よろしくお願いします。
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ツールドランカウイ2011 第10ステージリザルト
2月3日(火) 104.6km
1 Guardini,Andrea (FAR) Farnese Vini - Neri Sottoli 2h24'30"
2 Forster,Robert (UHC) United Healthcare Pro Cycling
3 Manan,Anuar (TSG) Terengganu ProAsia Cycling
4 Van Heerden,Christoff (MTN) MTN Qhubeka
5 Van Hummel,Kenny (SKS) Skil Shimano Cycling Team
6 Shpilevsky,Boris (TPT) Tabriz Petrochemical Team
7 Stallaert,Joeri (LAN) Landbouwkrediet
8 Schulze,André (CCC) CCC Polsat Polkowice
9 Ayabe,Takeaki (AIS) Aisan Racing Team
10 Lombardi,Omar (COG) Colnago CSF INOX Pro
14 Fukuda,Shinpei (AIS) Aisan Racing Team
36 Nishitani,Taiji (AIS) Aisan Racing Team
STAGE 10 - General Classification (個人総合時間賞)
1 Monsalve,Jonathan (AND) Androni Giocattoli 30h08'57"
2 Nino Corredor,Libardo (L2A) Le Tua Cycling Team @05"
3 Sella,Emanuele (AND) Androni Giocattoli @24"
30 Ayabe,Takeaki (AIS) Aisan Racing Team @06'26"
66 Nishitani,Taiji (AIS) Aisan Racing Team @30'09"
103 Fukuda,Shinpei (AIS) Aisan Racing Team @47'17"
→全てのリザルトはこちらをご覧下さい
10日間の長い戦いお疲れさまです。
アイサンレーシングチームの果敢な走りがレースレポートを通してヒシヒシと伝わってきました!
Jelajah Malaysiaでも熱い走りを期待します!
初戦お疲れ様でした!
今シーズンまだ始まったばかりでしたが
一気にロード熱を呼び起こしてくれるような
いいレースだったと思います!
落車や体調不良等つらいこともありましたが、
次につなげていってください。
レポートもありがとうございました♪
引き続き応援しています!
選手、スタッフのみなさんお疲れ様でした。Nanaさんレポートは現地の雰囲気がわかり楽しく拝見しました。
ありがとうございました。
今後は匠監督の描く「すばらしいトレインで優勝」が1日も早く正夢になることを願いつつ応援します。
選手・スタッフのみなさん本当にお疲れ様でした!
毎日ワクワクした気持ちで応援していましたヽ(^o^)丿
アイサンレーシングチームの新しい顔をみたような
新鮮さを感じさせてもらえたレースでした。
次のレースもこの勢いで頑張ってほしいですね!
これからも応援しています。
Nanaさん連日のレポートありがとうございました(^^♪