ここ「ディアサポーターズ」では、監督による日々のレースリポートとは違った目線でチームの様子をご紹介していきます。チームカーから収めたリーダージャージの綾部選手の走りもありますよ!
イエロージャージというのは色々な意味で重みのあるものなのだと、改めて感じました。選手たちのレース前の表情というのは戦況やレースによって様々です。イエロージャージを身にまとい、リーダーとしてレースと接する綾部選手。そして、西谷選手、盛選手、鈴木選手、福田選手・・・アシストとして走る選手たち。総合を守る覚悟の表情を物語っていました。顔つきが、いつもと全然違いました。
勝利の後にやってくる「ジャージを守る」というプレッシャー。しかも、オークラス アジア最高峰レース「ツール・ド・ランカウイ」においてのそれは、未経験です。今回のステージ優勝、総合トップ浮上!というニュースは各メディアでも紹介され、ファンの皆さまも「愛三綾部選手、日本人選手のランカウイ総合優勝」を期待してくださったことと思います。
リーダージャージを手放すという結果になりました。しかし監督リポートにもあったように、リーダーチームとしての誇りを胸に存在感を十二分にアピールしてくれました。
ランカウイ全10ステージも今日の第5ステージを終えていよいよ折り返しです。まだ、5ステージもあります。超級山岳を無事乗り切り、明日からはまた新しい勝利に向かって挑戦を続けます。チームスタッフNanaさんから届いた現地リポートをお届けします。
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ツール・ド・ランカウイ2011 第5ステージ
text.photo:Nana WATARAI (Aisan Racing Team)
ツール・ド・ランカウイ第5ステージが終了し同時に前半戦も終了しました。今日はキャメロンハイランドを下ったところの街Tapahがスタート地点だったため車で約1時間半かけての移動でした。山道でカーブが多い道なので車酔いをしないようゆっくりと運転してもらいました。
夕べ宿泊したホテルには日本人の方が沢山宿泊していらっしゃいました。キャメロン会という集まりの方々と、日本語教師の皆様のあつまりがあったようです。日本人が優勝したらしいそんな話を聞いて朝ロビーでお会いすると声を掛けてくださいました。
愛三工業のこともご存じで「これからも頑張ってください!」と激励の言葉もいただきました。更に、ジーナカメカがお嬢様に会ったことのある方までいらしてマレーシアの避暑地キャメロンハイランドでの不思議な出会いになりました。
今朝の現地の新聞です
日本の方からの祝福を頂きました
表彰の花をプレゼント!
さて、そんなこんなでバタバタと出発するもゆっくり慎重に下るとスタート45分前でした。着くなりカメラに囲まれる綾部キャプテン。準備をしながら取材に答えたり、記念写真に応じたり、一夜にしてスターとはこのことですね。チームカーの序列ももちろん1番。第1ステージ以来です(笑)。しかもゲンティンを1番前で登れるなんて本当に幸せです!
レーススタート前にはセレモニーが行われリーダージャージ着用者が紹介されます。檀上に上がったキャプテン。VIPの方々と握手をしていきましたが、手を握った後自分の右手を胸にあてています。これはマレー式のあいさつで「心から」のあいさつという意味が込められています。
マレーシアに来始めたころ自分が挨拶をすると相手が手を胸に当てているけれどどういう意味ですか?と選手に聞かれたことがあります。
意味を聞いて伝えたのですが、そういう相手の国の風習に敬意を払ってそれがもう無意識にできているんだなと思うと、なんだかとても嬉しく、そして誇らしくすら思えた出来事でした。小さなことかも知れませんが、こうして海外で活動を多くする私達にとってそういうことは、実は大事なことだと思うんです。
真摯な一面が垣間見える「マレー式あいさつ」
さて、レースは予定通り11:00にスタートしました。詳しい内容は監督レポートをどうぞ。
頼れるチームメイトたち
今日はAisan Racing Teamはリーダーチームだったのでリーダーチームとしての仕事がありました。開始直後から先頭に「青」が見え、実はちょっとうるっときてしまいました。コルナゴチームも協力してくれたらしく、余計に青く見える(コルナゴは背面は水色)のもあるかもしれませんが・・・。チームカーからズームで撮ったので見えるかわかりませんが先頭に注目すると「青」が見えるはずです。
レースをコントロール
アシストに徹する選手たち
キャプテンのイエロージャージ写真。
リラックスしてチームカーと笑顔で話す余裕もありました。
山へ入ると・・・!!!
西谷選手
真平選手
盛選手も残り20キロを切って・・・
綾部選手も・・・
別府監督が声をかけ続ける
残り3キロ かなり霧が深くなっていた
たった(?)25kmしかないこの山が本当にすごいんです。今日はそんなに降ってくる感じではなかったですがやっぱりGentinはすごかったです。特にラスト10kmそして5kmとどんどんきつくなってくるから恐ろしいです。下りの車ではどんな選手も「こんなとこ登ってきたなんてあり得ない」と口にします。今日は特にラスト3km手前くらいから霧でほとんど前が見えない状況で雨も降ってきたり気温も下がったりという天気でした。
去年のランカウイ観戦ツアーで皆さんが応援してくださった場所です。
何も見えません・・・
レース後の綾部キャプテンのコメント
スタート前は色々バタバタして大変だった面もありますが、リーダージャージを着用したことでレース中集団の中で「おめでとう」と言われたり、普段話したこともないような選手からも声をかけてもらって嬉しかったですね。リーダーとして走ったことは今までなくて、リーダーを支える立場の方が多かったので、今日のことは今後のためにもすごい経験になりました。さらにチームの皆にもリーダーチームとして走ってもらえて、ましてやそれがHCのランカウイなんてなかなかできる経験ではないので、それも良かったかなと思っています。
今日のステージを振り返って・・・山のスペシャリストはやっぱり凄いですね。自分も山の準備はしては来たけれども違いました。でも、もし自分が山のスペシャリストだったら昨日は勝てていないかもしれないんです。スプリントができたから自分は勝てたので。明日からは切り替えて平坦ですが、最初の3ステージの平坦とは違いアップダウンもあるのでうまくコースを頭に入れて次は平坦部隊として頑張ります!
リーダーチームとして走った福田真平選手のコメントです。
まさかHCのレースでこのタイミングでリーダーチームになるとは思っていなかったので、昨日綾部さんが勝ってリーダーになった時点から「リーダー イコール リーダーチーム!」ってすぐに頭に浮かんだくらいです。もちろん、嬉しかったんですよ(笑)。北海道でもリーダーチームとして集団をコントロールしたことはあったので気負うことなく行けました。プロコンチネンタルチームの選手も優しくて、コルナゴの選手も2人協力をしてくれてよかったです。
スタート前には実は緊張していたんですよ。Aisanとしてコントロールができるんだというところをきちんと見せなきゃと思ったし、それができたと思うので良かったですね。自分の今日の走りですが、上るのはグルぺットが比較的大きかったので楽でした。といっても当然きつかったですよ。ただ安心して落ち着いて山を登れて良かったです。
そしてゲンティンの感想は「きつすぎます!」
明日からはステージを狙います。最初の3ステージとは違ったアップダウンのあるコースなので楽しみです。逃げに乗れたら乗っていきたいとも思っています。明日から5日間頑張ります!!!
イエロージャージに臆することなく、皆でリーダーチームとして恥ずかしくない走りをしてくれたと思います。そしてそれを手放してしまっても明日からまだ5日間あります。そして明日は金曜日。イスラム教徒の安息日です。ということで明日のスタートは現地時間9:00と早いです!リーダージャージは残念ながら逃してしまいましたが明日も日本からどうぞ引き続き応援しよろしくお願いします。
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