レース自体がというよりは、天候の面で波乱続きとなった「ツアー・オブ・ハイナン2010」。無事終了し本当にホッとしています。毎日応援頂いていたファンの皆さんには、なるべく厳しい面よりはレースの状況を中心にお伝えしたかったのですが・・・。かえってご心配をおかけしたかもしれません。
人が集い作っているレース、海外で戦う姿の「本当のところ」。愛三レーシングの初挑戦を、現地のチームスタッフ、そしてメディアという外からの目を通じて様々な角度からお伝えできていれば幸いです。
さてレースの状況はリポートでご確認いただき、ここ「ディアサポーターズ」ではレースに帯同していたスタッフのNanaさんより届いたリポートをご紹介します。海外のレース現場でしか感じられない思いや人との繋がり。少しでも伝わればと思います。
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ツアー・オブ・ハイナン2010 第8ステージ
text.photo:Nana WATARAI (Aisan Racing Team)
Tour of Hainan第8ステージが無事に終了しました。今朝は起きてカーテンを開けたら雨が降っていません!曇りでもこんなに嬉しいのかと思いました。
普通にスタート待ちができるっていいですね[E:happy02]
今日本では中国での反日デモのニュースが連日報道されていると思います。私達が滞在しているここハイナン島も中国なわけで、家族や友人からは大丈夫かという連絡が入っています。ただ、私達はレースを通じて中国の皆さんと友好関係こそ築いていますが敵対心などを感じることはありません。我らがナカジメカと太朗マッサーもチームのお世話をしてくれているスタッフと記念撮影。皆手にはAisanのケアリーブ持っています!
こんな風に自然と国際交流をしていると、みんな仲間であり友人であることを強く感じます。
チーム担当のスタッフと記念撮影
今日はもう一人日本にゆかりのある選手を紹介します。今回ウクライナナショナルチームで参加しているVladimir Duma選手です。3年前の第10回Tour of Japanにユニバーサルカフェチームで参加し総合優勝を飾ったこともあり、覚えているという方もいるのではないでしょうか?
Vladimir Duma選手
夕食の時に「日本で優勝したことあるよね」と話しかけてみました。彼としては日本での優勝を日本人が覚えててくれたのが嬉しかったようです。今朝スタート前にチームのHP用に写真をお願いすると快く応じてくれました。するとそれを見ていた他のウクライナの選手が集まってきたので彼らの写真も撮りました。実は今回第1ステージで優勝しその後も表彰台に何度か登っているYuri(ユリ)選手はじめ、ウクライナの選手はちょっとおっかないイメージだったのですが、話してみると意外と気さくでびっくりしました。
「俺は日本じゃ有名なんだぜ。」「えーっ先輩スター中のスターですか?」とか「Yuri は引退したら日本で相撲とりになれるかな?こいつは強いぞ。朝青龍みたいに!」と冗談を言ってなごましてくれました。SUMOとASASYORYUに反応してAisanの皆も笑っています。小さなことですがこうやって人と人が出会って、いつかまたつながるロードレースって面白いなと思いました。
今日も沿道には本当に沢山の人が集まってくれていました。子供達は自転車の速さにびっくりしているところに、上に自転車を積んだ車が沢山きて大興奮。窓を開けて手を振るとキャーキャー喜んでくれます。大人も恥ずかしそうにする人もいますが、手を振られて自然に手を振り返してくれる人や笑顔を見せてくれる人もたくさんいます。この光景はインドネシアでも、マレーシアでもオーストラリアでも同じですね。共通して皆目を輝かせて、時には口をあんぐり開けて応援してくれます。他のスポーツと同じく、ロードレースも沢山の人に勇気や希望を感じてもらえるスポーツであるのかな。今日改めてそのことを感じました。
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ツアー・オブ・ハイナン2010 第9ステージ
text.photo:Nana WATARAI (Aisan Racing Team)
Tour of Hainan 2010が終了しました。今日は最長の222.5kmでしたがペースが速かったからか、やっぱり天気の良い中のレースが嬉しかったからか、長かったけれど思ったより早かったです。今朝ホテル出発の時は選手もリラックスムードでとてもいい雰囲気でした。
孫さんとも今日で最後
選手はリラックスした良い表情
スタッフも記念に
途中高速道路ではこれでもかってくらいパンクをしているチームもある中、Aisanはキャプテンが一度パンクしたのとケンケン選手がゴール手前約4kmでパンクしてしまっただけで大事には至らず良かったです。またチーム内には落車した選手もいませんでした。レース中には落車が発生し、痛々しい他チームの選手も目撃しましたが、皆先程の閉会式には参加できる程度のけがだったようでなによりです。
初めて臨んだTour of Hainan。個人的には初めての中国でのレースでした。レースを通じて沢山のことを感じ考え学んだ時間でした。また是非来年ここに戻ってきて今年やり残したことを皆でできたらいいなと思っています。
チームカーからのこの光景も今年はひとまず見納めです
レースを終えた選手たち
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