6月1日~6日までインドネシアで開催中の「ツール・ド・シンカラ(UCI 2.2)」。
本日第5ステージが行なわれました。
レースも残すところ2ステージ。連日お伝えしているとおり、今回のツールドシンカラは、鈴木謙一選手、別府匠選手の総合を意識しながら、独特なインドネシアのコース、人々の歓迎を感じながらのレースとなっています。
走ることはもちろん、選手たちはこの国の様々な文化や伝統も肌で感じています。その姿をフォトジャーナリスト田中苑子さん、そしてチームスタッフの渡会菜々さんのリポートを交えてご紹介しています。
今日はレース編、そして、旅行に行ったとしてもなかなか見られない?レース前やレース後の「ならでは!」な風景とを、2回に分けてお届けします。
まずはレース編から。
今日のステージは、スマトラの美しい光景を臨みながら走る96.5km。途中レースの名前にもなっている「シンカラ湖」を4分の3周しゴールBatu Sangkarを目指します。
第5ステージまでで総合順位は、別府匠選手が11位、鈴木謙一選手が13位。今後総合を上げていくには、逃げに乗ってタイム差を縮め逃げ切らなければ厳しい。
今日も愛三レーシングは攻めて、勝利と総合アップを目指します。
〔第5ステージ 96.5km〕
photo:Sonoko TANAKA
スタート地点までは蒸気機関車で移動しました
(車内の様子は別記事で)
今日もたくさんの応援が。日の丸を振ってくれています
photo:Sonoko TANAKA
今日はスタート前に宿泊していたサワルントの街からスタート地点までの約5kmを古くからある蒸気機関車に乗って移動した。私はメカニックと車でスタート地点へ先乗りしレースに備えました。
駅に着いてからスタート時間までわずかだったので、慌しく朝9時過ぎにレースはスタートした。パレードは無く最初からリアルスタートとなった。
今日もスタートからアタックがかかる。愛三チームとしてが、総合のタイム差を縮めるには逃げに乗って逃げ切らないことには縮められない。
謙一と匠は共に逃げを試みるが、チェックが入りどうしても決定的な逃げにはならない。
スタートからアタックが積極的にかかる
線路を越えていく
鈴木謙一選手。果敢に攻め逃げ切りを試みるが・・・
集団に福田真平選手の姿
photo:Sonoko TANAKA
スタートして40kmを過ぎ4名の選手がメイン集団から抜け出した。
Carrera Sherwin選手(7 ELEVEN RACING TEAM)、Ali Sahbana Agung選手(CUSTOMS CYCLING TEAM)、Mahawong Prajak選手(GIANT ASIA RACING TEAM)、Jaya Herwin選手(POLYGON SWEET NICE)の4名。
シンカラ湖畔の道は狭くうねうねしてアップダウンもあるため、先頭の4名とのタイム差が2分50秒ほどと思ったよりも開いた。4選手の中で一番個人総合のタイム差が少ないのはAli Sahbana Agung選手の7分58秒なので、リーダーチームもあまり本気で追ってはいない。
チームカーを駆るのはリポートにも登場したDevi さん
窓の向こうにシンカラ湖が見える
photo:Aisan Racing Team
道幅の狭さもレースに影響
photo:Aisan Racing Team
沿道は「我が町にきたレース」を歓迎する地元の方で溢れる
photo:Aisan Racing Team
鮮やかなグリーンの中を駆け抜ける集団
photo:Sonoko TANAKA
トラブルに対応する田中監督、中島メカニック
photo:Sonoko TANAKA
ラスト25kmを過ぎた最後の上りで、メイン集団のペースが上がり先頭を行く4選手とのタイム差が縮まっていく。しかしメイン集団のペースアップが遅かったこともありそのまま4選手は逃げ切り、Jaya Herwin選手がステージ優勝。愛三では綾部が14位でフィニッシュし全員が集団ゴールとなった。
個人総合リーダーは変わらず、TABRIZ PETROCHEMICAL TEAMのMizbani Ghader選手。愛三チームも別府匠が11位、鈴木謙一が13位は変わらずであった。
明日最終第6ステージは、Bukit TinggiからSingkarakまでの140km。途中シンカラ湖を1.5周します。
あと1ステージ、謙一と匠の個人総合順位が上がるよう最後まで頑張ります。(監督 田中光輝)
第5ステージを14位で終えた綾部勇成選手
総合順位は変わらずの別府選手。集団でゴール
最終日を前に今回のエース 鈴木謙一選手のコメントです
第3ステージから登りで少しずつ遅れてしまって今の状況になっています。TOJで謎のアレルギーに悩まされていたところから奇跡的に回復してきているので調子は問題ないです。
今回はエースということで、いつもは100%の集中でレースに臨んでいますが今は150%集中しています。明日も絶対に食らいついていくし、厳しくても登ることにこだわることなくチャンスを逃さず攻めていきます
明日は最終日。チーム一丸で第6ステージに挑む
photo:Sonoko TANAKA
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ゆったり、のんびりとしたインドネシアの雰囲気。気候や伝統文化、レースを歓迎する人々の笑顔。
そして厳しい暑さの中で繰り広げられるレースの緊張感。
しかしレースが終われば、選手たちはこうして地元の方と交流を楽しんだり、地元メディアの取材を受けたりと、「アジアツアーならでは」を味わっています。
ここでは愛三レーシングは「外国から来たチーム」。しかも今回も日本からのチームは愛三だけ。
右から3番目の方が市長さん
写真撮影のリクエストも多いです
photo:Aisan Racing Team
~現地の菜々さんメールから~
今日はGreat Palace(王宮)がフィニッシュ地点でした。沢山の方たちが応援に来てくれていました。
チームテントで一息つくとインドネシアのテレビ局Metro TVの取材の方がいらっしゃいました。
レースの感想、気候と食べ物について、そして今大会のコースについて話して欲しいということで、いつもの私のカタカナインドネシア語カンペをつくり今日は真平選手に発言してもらいました。
その後に全員での言葉も入れました。
photo:Sonoko TANAKA
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うまくいったのかな?(笑)
昨日のリポートにもあったように、このツールドシンカラを誘致する地元にとって外国から来たチームとは、歓迎と期待、そしてレースでの走りで受ける感動と興奮をもたらしてくれるゲスト。
チームにとっても、日本で走るだけでは決して体験できない感情やその国の生の情報を肌で感じることができる貴重なひと時です。
もうひとつの記事では、そんなインドネシアの醍醐味や神秘性が感じられる内容をお届けします。
しばしお待ちを。
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