REPORT

ツール・ド・シンカラ stage3 過酷な「44ケロック」を越えて

6月1日~6日までインドネシアで開催中の「ツール・ド・シンカラ(UCI 2.2)」。
本日第3ステージが行なわれました。


今日の第3ステージは、昨日のリポートでもお伝えしたとおり距離は短いのですが「44のカーブ」を超えるレイアウト。
このカーブのことを現地のミナンカバウ語では「ケロック」と表現するのだそうです。なかなか可愛らしい響きですが、実際のケロックはそんな可愛らしいカーブではなかったようです。

51kmのうち15kmから24kmまでが山岳区間で、2回山岳ポイントがあります。この中に「44ケロック」があります。右の特設ページからコースプロフィールで確認して頂くと厳しいコースというのが分かりますが、平均勾配は10パーセントはあるとのこと。選手たちはここを乗り越えてゴールBukit Tinggi を目指します。


〔第3ステージ  51.3km〕
photo:Sonoko TANAKA


レース前の様子。現地の方と交流を深めながらリラックスした雰囲気
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スタートが近づくと選手たちの目も勝負モードに
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現地の女子高校生にサインを求められる
日本語で「ありがとう」と声をかけられることも
彼女達の目に日本のレーサーはどう映っているのでしょうか
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暑いインドネシアのレースでは氷は欠かせない
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第3ステージが始まります
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photo:Sonoko TANAKA


今日は昨日のゴール地点からスタートし、昨年も訪れた街Bukit Tinggi までを走る51.3kmのレース。距離だけみたら短いのだが途中の15kmから24kmまでの区間が山岳で、日本ではあまり見ないコースである。
下から上までは44個のコーナー(カーブ)があり、そのコーナーすべて勾配がきつい(一番きつい所で20%は超える)上りである。この上りがまず、今日のステージのポイントとなるであろう。

朝9時にレースがスタートだが今日はパレード区間は無し。最初からリアルスタートである。スタートしてすぐ7名の選手がメイン集団から抜け出す。
ここに愛三から綾部勇成が入る。
後の6人は、Manulang Robin選手(ARAYA INDONESIA TEAM)、Matnur選手(POLYGON SWEET NICE)、Park Sung Baek選手(KSPO TEAM)、Jones Caleb選手(BIKE BUG NORTH SYDNEY)、Ali Usman選手(UNITED BIKE KENCANA TEAM)、Riyadi Sutomo Elan選手(BINTANG KARANGGAN CYCLING CLUB)。

綾部を含む逃げの7名は15km地点でメイン集団に2分40秒の差をつける。この綾部の動きは、山岳ポイントを通過した後、今回のエース鈴木謙一と別府匠が後ろから追い付いてきた時に、愛三から1人でも多く選手がいれば後半優位に展開出来るからである。
もちろん山岳賞狙いも視野に入れている。


美しい湖の畔を走りぬけ山岳へと突入する
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7人の逃げに乗った綾部勇成選手
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photo:Sonoko TANAKA


上りに入ってから逃げの7人からAli Usman選手が単独で先頭グループから抜け出す。
最初の山岳賞(19.8km地点)は先行するAli Usman選手が1着で通過、綾部が2着で通過する。その後メイン集団から抜け出してきたMizbani Ghader選手(TABRIZ PETROCHEMICAL TEAM)が、逃げから先行していた3名(綾部、Park Sung Baek選手、Ali Usman選手)に追い付き2回目の山岳賞前で単独抜け出す。この次に綾部が続いた。

下りで綾部は、後ろから来た選手と前を行くMizbani Ghader選手を、そして謙一と匠が後ろから来ることを気にしながら追う。この時点で匠は綾部のグループの後ろ8名で追走し、謙一は更にその後ろで品川と共に前を追っていた。


綾部選手の逃げに応えるべく前を追う別府匠選手
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エース鈴木謙一選手
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鈴木選手を支えながら走る品川真寛選手
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ケロックの最大勾配は20パーセントを越える
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福田真平選手
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photo:Sonoko TANAKA


第3ステージは、単独で抜け出していたMizbani Ghader選手がそのまま独走で逃げ切りステージ優勝。綾部はこのステージ6位に入り、匠が13位、謙一は20位でフィニッシュした。
なお、逃げに乗った綾部が2度の山岳ポイントを両方とも2位で通過し山岳賞争いで2位となった。


フィニッシュ地点「Bukit Tinggi(ブキッティンギ)」のランドマーク
時計台を背に表彰式
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明日の第4ステージは繰り上げで山岳ジャージを着用する
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photo:Sonoko TANAKA


リーダージャージはMizbani Ghader選手。匠が総合12位でタイム差は5分27秒。謙一は14位で5分40秒差である。個人総合はタイム差が開いてしまったが、明日からも起伏のあるコースなので逃げに乗ってそのまま逃げ切りタイム差を縮める走りをしていきたい。
明日はPadang Panjang からSawahlunto までの81.2kmです。イスラム教の礼拝があるためスタート時間は現地時間8時30分となります。
(監督 田中光輝)


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第3ステージを終え総合のタイム差はかなり開きましたが、明日以降のステージでも積極的に攻めタイム差を縮める走りを目指します。


綾部選手からコメントが届いています。
(アレルギーからの体調不良がありましたが)調子はずいぶん戻ってきました。今日の反省点は、前で登っていて後ろから追いつかれ、ずっと6人で走っていたのに勝負所の前に遅れてしまったことです。悔しいですね。
イランの選手が強いのでその中でどう戦っていくかはすごく難しいですが、総合で上に行くには登って下ってゴールする明日がほぼ最後のチャンスかもしれないです。このレースの鍵になると思うのでチーム一丸となって明日も頑張ります。


愛三の勝負の流れを作る綾部選手。明日は山岳賞ジャージを着用
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明日の第4ステージは88.2km。おなじみになっていますが、金曜日はイスラム教の礼拝の日なので午前中にレースは終わります。朝のスタートが早いです。
自分達の描くレースをしっかりと作り勝負に挑んで欲しいですね!
ツール・ド・シンカラも残すところ3ステージです。


スタッフもがんばってます。応援お願いします!
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(蚊取り線香もがんばってます)
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