4月27日から5月1日まで開催の「ジュラジャ・マレーシア(UCI AsiaTour 2.2)」。本日4月29日は第3ステージが行なわれました。
今回のエース別府匠選手が昨日の第2ステージで総合2位に上がったため、残り3ステージは別府選手の2位を維持しつつも、総合優勝獲得を目指す「具体的な」戦いになってきます。
注目の第3ステージは集団ゴールとなり、タイム差はつかず総合2位に変動なし。
結果だけを見れば何事もなかったように感じられますが、総合を争う位置にいる中でこの結果に持ってくるには、エースの強い心と走り、そしてアシストの尽力がなければ得られません。
別府選手が昨日のコメントで「ひとつのミスが命取り」といったように、ステージレースでは日々の結果、ほんの少しのタイム差が総合順位に大きく響いてきます。
これがステージレースの醍醐味でもあり、エースの強さとエースの力を引き出すアシストの力であり、総合優勝の価値でもあるのです。
〔総合2位に浮上した別府選手と別府を支えるアシスト陣〕
今日の第3ステージは126.1kmと比較的短いコース。12時45分と1日で最も暑い時間帯でのスタートです。
レースは、リーダーチームの GIANT Asia Racing がコントロールする中速いペースで進む。15km過ぎに4名の選手がメイン集団から抜け出したが32km地点の山岳ポイントを過ぎた所で吸収。その後60kmくらいの所で4名の選手がメイン集団から抜け出す。
内訳は、Le Tua Cycling の選手1名と、Wilayah Persekutuan State の選手1名(共にマレーシアのチーム)、Customs Cycling Club (インドネシア)の選手1名、Team Medscheme((南アフリカ)の選手1名。タイム差は2分30秒ほど開く。
GIANT Asia Racing チームは、前半速いペースでのコントロールもあってか6名中リーダーを入れて3名しかコントロールする選手が居ないため、愛三チームからもメイン集団をコントロールする選手を送る。
〔序盤でパンクした別府選手だがすぐに復帰/Aisan Racing Team〕
〔アシストが後方で別府を待ち集団前方へとあげる/Aisan Racing Team〕
先行する3名から残り35km付近で1名脱落して2名となるが残り2kmで吸収され、そのまま今大会初の集団ゴールスプリントへとなだれ込む。
第3ステージ優勝は、Team Medscheme の MALCOM Lange 選手。総合2位につけている愛三レーシングのエース別府匠は、福田、品川とともにタイム差なしの集団ゴールで32位、総合に変動はない。
個人総合1位は引き続きDavid MCCANN 、別府は20秒遅れで総合2位となっています。
明日の第4ステージは93.1kmとさらに短いステージ。
今日のような集団でのゴールスプリントになると思われるので、明日も別府がタイム差無しで無事ゴールし最終日のロングステージで個人総合優勝を獲得出来るよう頑張ります。(田中光輝監督)
◆Jelajah Malaysia stage3 Result (第3ステージ順位)
1 Lange Malcolm (RSA) Team Medscheme 2:59:02
2 Arran Brown (RSA) Team Medscheme
3 Mohd Zamri Salleh (Mas) Angkatan Tentera Malaysia Team
15 Shimpei Fukuda (Jpn) Aisan Racing Team
22 Masahiro Shinagawa (Jpn) Aisan Racing Team
32 Takumi Beppu (Jpn) Aisan Racing Team
68 Mitsuhiro Matsumura (Jpn) Aisan Racing Team 0:00:17
71 Kenichi Suzuki (Jpn) Aisan Racing Team 0:00:39
◆General classification after stage 3 (個人総合時間)
1 David McCann (Irl) Giant Asia Racing Team 12:08:41
2 Takumi Beppu (Jpn) Aisan Racing Team 0:00:20
3 Amir Mustafa Rusli (Mas) Malaysian National Cyclilng Team 0:01:01
4 Dadi Suryadi (Ina) Indonesian National Cycling Team 0:03:30
5 Lange Malcolm (RSA) Team Medscheme 0:03:31
17 Shimpei Fukuda (Jpn) Aisan Racing Team 0:07:19
37 Masahiro Shinagawa (Jpn) Aisan Racing Team 0:10:15
69 Mitsuhiro Matsumura (Jpn) Aisan Racing Team 0:16:57
72 Kenichi Suzuki (Jpn) Aisan Racing Team 0:17:20
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第3ステージが無事に終了しました。今日は昨日までより距離が短かったのですが12:45スタートだったためスタート時から気温は40℃オーバーでした。
愛三のメンバーは準備を済ませ最終確認のミーティングです。エース別府匠選手を中心に5人で話をして、スタート5分前皆氷を首に入れ元気に出発していきました。
〔エースとアシストの信頼感がステージレースでは何よりも大切だ
/Aisan Racing Team〕
昨日のステージを終えて別府匠選手が総合2位となりましたが、総合1位はGiant Asia Racing Team のDavid McCannです。彼はアイルランド出身の選手でアジアツアーではお馴染みの選手です。
先日の台湾では第1ステージで優勝してからずっとリーダーを守り総合優勝。その後のタイでもステージ優勝をし、先々週のフィリピンでは総合・ポイント・山岳全ての賞をとった今年絶好調の選手なのです。
レースが終われば愛三の選手・スタッフとも仲の良い仲間ですがレースではやっぱり「ライバル」です。
〔リーダーの証イエロージャージを着るDavid McCann選手
/Aisan Racing Team〕
レースが始まってすぐ別府選手がパンクしてしまいましたが、すぐに中島メカが対応し集団に復帰しました。チームカーの車の間をぬって冷静に集団に向かう別府選手。間もなく集団に復帰するところでは集団後方に2人の選手が下がり、別府選手を迎えます。そしてエースを集団前方まで連れて行きました。
レース中は補給を取りにエース以外はチームカーまで下がってきました。
今日は監督レポートにもあるとおり、総合2位とはいえレース(集団)をコントロールをしました。そんな経験はなかなかないということで、エースを陰で支えるアシスト 鈴木謙一選手にコメントをもらいました。
鈴木選手)
一言で言うととても難しかったです。今までにやったことのないことだったので。ミーティングで色々と話はしていても実践となると当然他のチームの動きなどもあるため迷う場面もあり、本当に難しかったです。
ずっと全力でいけばいいわけでもなく、かといって緩めすぎてもいけないのです。言葉ではうまく表せないですね。
でもものすごい勢いで沢山のことを学び、吸収できました。
このことをまた明日も活かせるので今度は楽しみでもあります。きついですが明日もまた全力でエースを、チームをサポートできるように頑張ります。
リーダーチーム、またはそれに近い状況になるのはなかなかない経験です。前回のツアー・オブ・タイでの経験とこれまでの積み重ねを生かし、より良くなってきていることは本当に嬉しいことです。
明日金曜日はイスラム教のお祈りの日なので、午前中にレースが終わるように朝9時スタート(日本時間10時)で93.1kmです。
引き続きの応援どうぞよろしくお願いします。(スタッフ渡会菜々)
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